【umbrella 柊(Gt) × NoGoD団長(Vo)】10月24日<路地裏サーチライト>開催記念対談。「困ったことがあれば団長に連絡します」「umbrellaっていうバンドが大好きなんですよ」

俺たち世代ってヴィジュアル系の呪いもすごく感じているんです
────団長さんは「路地裏サーチライト」っていうumbrellaにとっても大事な主催に声をかけられた時、率直にどう思われました?
団長: umbrellaがそういう風に言ってくれるんだったら、基本二つ返事でスケジュールさえ合えば出たいっていうのがまず大前提にあって。あと実はNoGoDって味園ユニバースでライヴしたことないんです。
柊:そうなんですか。
団長:そう。ただ、その味園ユニバース…というより味園ビルっていう建物に対してはものすごい思い入れがあって。当時、遠征し始めた時の宿選びで、遠征慣れしてるバンドマンに聞けば大阪でも安い宿が見つかるだろうと思って、LOOP ASHのバンドさんに教えてもらったのがホテル味園だったんですよ。初めて大阪遠征で泊まってからホテル味園をずっと使ってましたし、あの味園ビルの建物自体はもう20年近く通ってます。
────ライヴ終わった後、飲んでも帰ってきやすい立地ですしね。
団長:俺らは基本的に大部屋に泊まる事が多かったんで。メンバーとかスタッフ7 、8人で泊まって、同じタイミングで大阪にツアーで来てるバンドと合流して飲んだりしてました。あと、余談ですけどモータープールって言うのはホテル味園で初めて知りましたね。
柊:関西しか言わないらしいですね。
団長:モータープール?何それ?って。ただの立駐じゃんって(笑)立体駐車場をなんでわざわざ、モータープールっていう特殊な言い方をするんだろうと思いながらずっと使ってました(笑)
────ようやく今回その味園ビルの地下に降りるってことになるわけですね。
団長:個人的にはMUCCの25周年のアコースティックイベントにMCで出させていただいたことはあるんですけど、NoGoDとしては初なので、あのレトロな空間でメタルが響いたらどうなるのか楽しみですね。

────umbrella側からNoGoDに出てもらいたいと思ったきっかけは覚えてますか?
柊:結構早い段階で誰からとも言わずNoGoDの名前は出てましたね。「路地裏サーチライト」は…こういう言い方をしたら語弊があるかも知れないですけど、マニアックであろうが、何も気にせず自分たちが良いと思うバンドを誘おうぜ!みたいなイベントなんです。
────大阪のバンドにとって味園ユニバースはやはり特別な場所ですよね?個人的にも一番好きな会場なんです。
柊:アンダーグラウンドの聖地ですよね。バンドをやるまでは、味園ユニバースの存在をしっかり知っていたわけじゃないんですけど。元々がキャバレーで、会場に入った時にパッと目に入るネオン管のインパクトですよ。一度見るとそりゃ一番好きなライヴハウスになるっていうのも納得です。会場の趣きもですけど、文化の象徴ですよね。一度触れたら病みつきになってしまうそんな場所だと思います。うちの春さんがそういう文化が大好きなんです。
団長:アングラだしね。自分もホテル味園が無くなってからも、その下の階のお店によく飲みに行ってます。ストロベリーソングオーケストラの座長がやってる「秘密倶楽部アニマアニムス」や、プロレス怪奇バーとか。ちょっと歩くとなんばグランド花月とかもあって、商店街に入れば綺麗な都会なのに、味園の一角だけ足を一歩踏み入れた瞬間に時代が数十前ぐらい前にタイムスリップするのが素晴らしいですよね。東京でいうと上野~鶯谷とかなんでしょうけど、あそこと似た雰囲気の場所を探しても見当たらない。若い頃はあの辺の怪しい店でたくさん痛い目見てお勉強させてもらいました(笑)
柊:味園ビルの地下には関係者しか入れない秘密の飲み屋があるとか、本当かどうかわからない都市伝説があるぐらい、あのビル全体がアンダーグランド文化を作ってますね。
団長:そういう場所とumbrellaとの相性は抜群だと思いますよ。俺、umbrellaってバンドはその音楽にまず価値があるバンドだと思いますし、良い意味でヴィジュアル系をリスペクトしている。けれど、ヴィジュアル系っていうものに縛られることもない。こんなことをVISUNAVI Japanで言うのもナンセンスだと思うんですけど、VISUNAVI Japanって今のヴィジュアル系をもっと盛り上げたいっていう活動されてはいる媒体だと思うんですよ。でも、俺たち世代ってヴィジュアル系の呪いもすごく感じているんです。
柊:あぁ、それはありますね。
団長:これ世代的な問題で。ヴィジュアル系っていう“化粧をしているロックバンド”が2000年~2010年以降ですかね、徐々に音楽業界の中で特殊な見え方というか、メインストリームではないサブカルチャー扱いされていったんですよ。ヴィジュアル系っていうだけで出させてもらえないイベントもありましたし、色眼鏡で見られた時期があって。でも、そもそも俺たちの場合はヴィジュアル系って言葉もあるかないかぐらいの世代で始めて、エンタメ音楽表現として化粧をすることに抵抗がなかっていうだけで、“ヴィジュアル系でなきゃいけない”とか“ヴィジュアル系はこうじゃなきゃいけない”っていう考えが実はなかったんですよ。それよりも、先輩方がヴィジュアル系って言葉が無い時から、いろんな表現でエンターテイメントされていた時のマインドの方が大切だと思うんです。それで言うとumbrellaって音楽性は違えど、根底にある表現の成り立ち方で繋がっている数少ないバンドの一つかなと思ってます。umbrellaが主催に誘ってくれるっていうのは、NoGoDのそういうところも見てくれるんだろうなって気がして嬉しい。
柊:僕もヴィジュアル系に対してっていうことだけで言えば、こだわりは何にもないですね。触れてきた音楽をやってた人たちの目の周りが黒かったっていうだけで。影響を受けてるのは団長と同じでマインドの部分かな。もともと10代の頃はヴィジュアル系じゃないバンドもやってましたけど、なんか面白くないなぁと思ってヴィジュアル系を始めたんです。表現の一つとしてメイクを始めましたね。
団長:umbrellaもそうでしょうけど、ヴィジュアル系って音楽のくくりじゃないんですよ。そもそもヴィジュアル系って言葉は音楽のジャンルじゃないけど。umbrellaに関してはまずバンド名がumbrellaだし、楽曲の湿度が高いんですよ。湿度が高い音楽をやっていて、湿度が高そうなバンド名なのにカラッとした見た目でやるってのは表現としてアンバランス。それが個性なんじゃないかなって俺は思うんですよ。例えばヘヴィメタルっていうものをロン毛の硬派な人がやるのもいいんでしょうけど、NoGoDの場合はアメリカ式のヘヴィメタルではなくどっちかっていうと、湿度の高いヨーロッパのエッセンスが強いので、見た目もカラッとしてるよりは湿度があった方が演出としては成り立つんじゃないかなと思ってます。それこそ今回「路地裏サーチライト」に出るdeadmanとかもまさにそうですよね。