【umbrella・唯 × CASCADE・TAMA】10月24日umbrella主催<路地裏サーチライト>味園ユニバースに向けてヴォーカリスト対談実現!

唯(umbrella)とTAMA(CASCADE)。
稀代のヴォーカリスト、そしてその存在への憧れを胸に自らも音楽の世界で生きる者。
紛れもない事実なのだが、この二人の間には驚くほど温かい空気が流れる。
俗に言う“リスペクト”の先に芽生えたのは“友情”だった。
umbrellaが主催する「路地裏サーチライト」に何故、CASCADEは出演するのか?
10月24日、味園ユニバースに向けて意外過ぎる関係性をお届けする。
すごい革命的なバンドやと思ってます
────お二人は「たまゆい二人会」というイベントをずっと開催されていますが、一体どういった内容なんでしょうか?
唯:そこから聞きます?(笑)
TAMA:あははは(笑)どんなイベントやろね、唯くん?
唯:結構特殊なイベントなんですよ。僕とTAMAさんが2人でゆったり会話をしつつ好きなカラオケを歌ったり、お酒を飲んだりする会です。かなりゆるいですね。当初は2人でアコースティックをやってたんですけど、それだけだとよくあるイベントだなと思って。もう10回以上続いてるんですごいですよね。
────発案はどちらからでした?
TAMA:アコースティックライヴやった後に、カラオケなんかもいいよねと話をしてて、じゃあやりましょう!と唯くんから提案があったのがきっかけですね。それでカラオケができる場所を探して、今では東京でも開催するようなイベントになりました。
唯:とても独特で良いイベントですよ。
────活動年数だけを見るとずいぶん世代差があるお二人は何故こうまで仲が良いのかっていうのが驚きでもあるのですが、そもそも交流が生まれたきっかけは何だったんですか?
唯:TAMAさんが前にやってらしたヴィジュアル系バンドの時に、対バンツアーでご一緒させていただいて話すようになりました。お互いに京都出身っていうのは知ってたんですけど、TAMAさんが数年前に京都に戻ってくることになって、そこからグっと距離が縮まりました。
TAMA:そうそう。東京に30年くらい住んでたんですけど、京都にもう一度移住することにしたんです。そしたら唯くんの家がすごい近所だってことが判って、じゃあご飯行こうねって。
唯:TAMAさんにお誘いいただいて。一緒に一人前のお寿司を食べましたよね?
TAMA:食べた食べた(笑)
────2人で1つ。随分ヘルシーですね(笑)
唯:ほっこりしたエピソードですけど、でも信じられないことですよね。僕の中でTAMAさんのキャラクターっていうものもあったし、CASCADEをずっと聴いてきていたので、例えばアニメソングとかで僕たち世代はみんな通っているじゃないですか。そんな憧れの人…とお寿司の一人前セットを2人で食べるって一体どんな世界観なんだよと思って(笑)嬉しさと同時に信じられなさがあり、そこから距離が縮まっていったと思います。TAMAさんが関西に戻ってきて、なんか一緒にできたらいいですよねって話もしましたね、その時に。

TAMA:近所ということもありましたし、唯くんに初めて会ったときにCASCADEに対する…何て言うんでしょうね、とても熱い想いを語ってくれまして。まあそれが結構長かったんですけど(笑)
唯:そりゃそうでしょうよ(笑)僕のレジェンドですよ!
TAMA:でもね、真面目な話すごい嬉しかったですよ、勇気づけられたといいますか。京都人としてお互いに何かおもろいことやれたらえぇなという話をしてこういう形になりました。はじめはアコースティックライヴでしたけど、それが徐々にカラオケに進化をし(笑)でも何か一緒にやろうって声をかけたとき、快く引き受けてくれて、これが10回以上続いているのはとても嬉しいことですよね。
唯:これからも続けていきたいですね。2人でただ喋ってカラオケするってある意味ぶっ飛んでるじゃないですか?こういう企画もTAMAさんとだったら新しくて面白いものにしていけると思ったんです
────唯さんはヴィジュアル系愛、そしてシーンに対する造詣も深く、ある意味博士的なところもあるとよく伺います。そんな唯さんから見てCASCADEの魅力ってどんなところでしょうか?
唯:CASCADEっては最初はヴィジュアル系に分類されてましたよね?
TAMA:そうだと思うよ。
唯:そう。だから世間的にはヴィジュアル系やったんですけど、そんなにメイクをするバンドでもなかったし、J-POPやJ-ROCKのような印象もあって。ヴィジュアル系って分類されているバンドがポップサイドにブチ込んできたなって、すごい革命的なバンドやと思ってます。なんとなく世間がイメージするヴィジュアル系特有の音楽やフレーズ・歌詞ってあるんですけど、CASCADEはそこには属せず、とにかくポップで強い。ポップなものこそが、一番ロックなんじゃないかって思わせてくれたバンドですよね。いろんなバンドがいた中で、ポップスが強いバンドのカリスマ的な存在として輝いている、それが僕の中のCASCADEですね。今でこそヴィジュアル系って何でもありのジャンルだよねっていう人も多いけど、そういう壁をぶち壊した第一人者なんじゃないかな。だから僕はCASCADEのことが好きなんですけど、CASCADEがヴィジュアル系だったから好きなわけでもないし、ヴィジュアル系じゃなかったとしても好きやったと思います。
TAMA:嬉しいなあ本当に。唯くんは自分の視点ですごく分析してくれるんですよ。
唯:その中でもTAMAさんってファッションにも精通してましたし、CASCADEのTAMAっていう存在は、極端な話CASCADEのTAMAじゃなくてもファッション業界で一目置かれる存在だなと思っています。僕の中のカリスマ論の話にもなるんですけど、真似したいと思われる存在こそが、カリスマだと思うんですよ。僕も学生時代、実は髪の毛とか全部TAMAさんの真似をしてたんです。
TAMA:ものすごく愛情を感じますね。

────個人差があるとは思うのですが、CASCADEっていうヴィジュアル系バンドという認識よりは、CASCADEっていう人気のバンドは何故だか、雑誌でヴィジュアル系と近いページに載っていることが多いな…という認識でした。
唯:ホンマそうでしょう?僕ら世代は特にそうやと思うんですけど、雑誌見て気になったCASCADEの曲聴いてええなと思って、どんどんどんどん歴史を掘り下げていくと徐々にヴィジュアル系っぽい面も見えてくるんですよ。
────と、唯さんのカスケーダーっぷりもアツいですが、TAMAさんはumbrellaというバンドをどう認識してらっしゃいますか?
TAMA:初めてumbrellaを聴かせていただいた時、あ、この人オルタネイティブが好きなんやろなって思ったんです。もちろんヴィジュアル系っていうジャンルの中に入っている音楽やと思うんですけど、ギターとか聴いてるとそう感じる。例えばニルヴァーナとかデイジー・チェーンソーみたいな、あの手のひずんだギターの感じですよね。曲もポップではあるんですけど、やはりどこか退廃的な部分があって、世界観がカッチリ構築されてる。それで一番すごいなと感心するのは、唯くんがほとんどのミュージックビデオやアー写、曲とか全体をプロデュースしてるじゃないですか。作詞作曲だけじゃないトータルプロデュース力は、唯くんさすがやなぁと思いますし、それを体現しているumbrellaっていうバンドは素晴らしいなといつも思ってます。あとね、唯くんは僕のトークでの暴投を全部キャッチしてくれるんですよ。
唯:キャッチというかレシーブしてる感覚ですね(笑)いや、ありがとうございます。嬉しいです。