【SPLENDID GOD GIRAFFE】ライヴレポート◆2024年9月28日(土)大塚Hearts Next◆<Autumn ONEMAN LIVE TOUR「CROSS FADE」>完走!我が道を驀進し、着実に辿り着いたネクストステージ。

また一つ、SPLENDID GOD GIRAFFEというバンドが手にした新たな可能性や魅力に触れることができた――それは、Autumn ONEMAN LIVE TOUR「CROSS FADE」のツアーファイナル公演でのこと。今回のツアーは4都市全6公演と、前回行ったワンマンツアーから規模を拡大して開催され、9月28日・29日に大塚Hearts Nextで行われた東京公演2daysにて幕を閉じた。ここでは、初お披露目のトピックスが盛りだくさんだった1日目の模様をレポートする。
今年4月に2周年を迎えたタイミングで、先の活動に対する臨戦態勢を示した彼らが同時に強調していたことが、《“この3人”で音楽を続けていくこと》だった。そんなメンバーが今回のツアーで目指し、そして手応えとして掴んだものは、《楽しむ》という至極シンプルなことだったように思う。それを確信的にしたものがこの日リリースされた4th SINGLE「CROSS FADE / High Discus」の楽曲であり、ライブ中のMCで「2周年のときとは違って、肩の力を抜いた楽しいツアーだった」と振り返った秀人の言葉でもあった。SPLENDID GOD GIRAFFEというバンドにおける“正解”の道を追求しながら地盤を固め、その過程で生まれた自信。それが2周年で「戦う準備が整った」と堂々と言い放つことができた結果に繋がり、楽曲やライブのアプローチを通してこのバンド独自のテイストを着実に構築してきたことを武器に《楽しむ》という領域に達した “今”こそ、彼らが新たなフェーズに辿り着いたことを証明するものでもあった。
ライブの幕開けを飾った「Till death do us part」が会場を魅惑的な空気で満たし、崇高な世界観で魅了したかと思えば、続いた「DIRTY HONEY」ではギアを180度切り替えてモッシュやヘッドバンギングを起こしながらボルテージを一気に高めていく。冒頭2曲ですでにふり幅の広さを見せつけると、「ついにやってきたな、東京!楽しむ準備はできてるか⁉︎」と秀人がオーディエンスを扇動し、熱を帯びていくフロアに向かって「FAKE SPIRIT」では“愛してるよ”というフレーズを強調しながら歌う包容力まで持ち合わせているのだからズルい。
すでに助走は完璧。しかし、熱量をより一層高めるきっかけを担っていたのが新曲「CROSS FADE」を披露したときだった。曲名がツアータイトルと同じであることからもテーマソング的位置づけの楽曲であることは明確だったが、曲中に登場する“楽しさ”を体現するセクション(秀人曰く“ワクワクゾーン”)も踏まえて、メンバーと麒麟組(ファン)とで爆発力を持った一体感を生み出した。これもまた、まさしくこのツアーで手にした強みであろう。
中盤、「ADDICT」をはじめとする歌ものセクションの中で一際印象的だった「UNICORN」。“明日を見つけるよ 君と”という、この曲に軸として込められたメッセージが耳に残るバラードを繊細に、時に振り絞るように歌い上げる秀人の歌声や、一連の“歌”をフィーチャーした場面で静と動を帯びた巧みな演奏で聴かせる公佑とTACCのプレイも見事だった。演奏中、これまで楽曲を通して作り上げてきたドラマを感じられるところにエモーショナルな感情を掻き立てられるのはもちろんだが、演奏シーンの実直なイメージとは違うベクトルで彼らの間柄を感じられるのがMCだ。ツアー初日の福岡公演で、秀人が“公ちゃん”呼びをしてくれたことが嬉しかったと話した公佑の話題に関連して、それぞれのあだ名を話題にしばしラフな会話を展開した和気藹々とした場面も、この3人ならではの一幕でもある。
そして、これまで新しい曲が出来ると、まずはライブで披露するというSGG的セオリーをあえて崩し、リリース日に満を持して新曲「High Discus」を披露するという新たな試みもあった。冒頭にノリについてのレクチャーがあったとはいえ、ここでも麒麟組が楽曲に花を添える即効性を持った盛り上がりを見せる。楽曲のテイストとしてポップな表情に新鮮味を感じながらも、SGGの楽曲は硬派なロックサウンドにあらゆるテイストを掛け合わせることで生まれるハイブリットさにこそ凄味が詰まっていることを痛感させるものでもあった。わかりやすく言うならば、あらゆるものを自分たちのものにしてしまうポテンシャルがある。そこへ、「CROSS FADE」を披露したときにも感じられたアグレッシブな要素が惜しみなくプラスされることで、バンドが持つエネルギーが倍増していることを強烈に印象付けた。
「すげぇいい感じだ!まだまだいけるか!?」と秀人が口火を切ると、「TRIDENT」以降はノンストップにラストスパートを駆け抜けていく。勢いを増した「ISOLATION」では、“歯止めがきかないのは全部 君のせいだね”という一節のときにメンバーがフロアやステージ内を思い思いに指さしサインしたシンクロ具合がやけにアツく、狂騒を巻き起こした「TEXTURE TEXTURE」で言わずもがなボルテージは最高潮に。こうして、「最高の空間を作ろうぜ!」という言葉を画にするようにSGGの原点でもある「EVE」で迎えたクライマックス。得も言われぬ充実感の中でプレイされた「EVE」が纏っていたのは儚さではなく、限りなくポジティブな美しさだった。
アンコールの声に応えて、SEが鳴り出したステージへ姿を現したメンバーが纏っていたのは、なんと新衣装! これまで周年のタイミングでのみ衣装チェンジを行っていたこともあり、オーディエンスは思わぬサプライズに若干動揺の色を隠せないといった様子。こうして、装いも新たに再び「CROSS FADE」と「High Discus」の新曲2曲を立て続けに披露し、ラストの「QILIN’G ME」ではサビで繰り広げられる上手・下手へと高速に駆け回る中に公佑がフロアに降りて混ざり、最後までダイナミックにライブを展開していった。
「最高」という言葉で締めくくられた“続き”を行った翌日には、「CROSS FADE」のMV公開、さらに3周年記念ワンマンツアー「麒麟三年搾り」と主催イベントツアー「新東京遊撃作戦-3rd-」が発表された。年内は、12月25日にクリスマスワンマンも開催される。今、ゼロから築いてきた礎は確実に強固なものとして完成した。ここからさらに、SPLENDID GOD GIRAFFEならではの道を飛躍的に進んで行くことになるだろう。そこで一番尊重すべき軸になることは何か。それは自分たちの意思という、アーティストたる本質とも言える秀人、公佑、TACCの中で揺るぎないもとして在り続ける“生き様”だ。
Report◎Ayako Hirai
SET LIST
1. Till death do us part
2. DIRTY HONEY
3. FAKE SPIRIT
4. CROSS FADE
5. ADDICT
6. Orphelin
7. 久遠
8. UNICORN
9. High Discus
10. TRIDENT
11. ISOLATION
12. TEXTURE TEXTURE
13. EVE
EN
1. CROSS FADE
2. High Discus
3. QILIN’G ME
RELEASE
発売中
4th SINGLE
「CROSS FADE / High Discus」
品番:SGGR-007 価格:¥1,650(税込)
収録曲
1.CROSS FADE
2.High Discus
3.CROSS FADE(instrumental)
4.High Discus(instrumental)
各サブスクリプションにて配信
https://linkco.re/VYmYHD7R?lang=ja
LIVE
SPLENDID GOD GIRAFFE CHRISTMAS ONEMAN LIVE『SPLENDID NIGHT 2024』
12/25(水) LIVE HOUSE獅子王
《sDr.遠海准司(己龍)》
3rd ANNIVERSARY ONEMAN TOUR「麒麟三年搾り」
4/6(日) CRAZYMAMA 2nd Room【岡山】
4/7(月) 心斎橋 Clapper【大阪】
4/12(土) THE LIVE HOUSE soma【大阪】
4/13(日) HOLIDAY NEXT NAGOYA【名古屋】
4/19(土) LIVE HOUSE Queblick【福岡】
4/20(日) LIVE HOUSE Queblick【福岡】
4/28(月) Live House 獅子王【東京】
4/29(火) SHIBUYA REX【東京】
3rd ANNIVERSARY EVENT TOUR「新東京遊撃作戦-3rd-」
5/29(木) SHIBUYA REX【東京】
6/7(土) CRAZYMAMA KINGDOM【岡山】
6/8(日) live music club PADOMA【神戸】
6/14(土) DRUM SON【福岡】
6/15(日) DRUM SON【福岡】
6/21(土) THE LIVE HOUSE soma【大阪】
6/22(日) HOLIDAY NEXT NAGOYA【名古屋】
関連リンク
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