【「#没」不破×シークレットバンド●●●】12月1日<KHIMAIRA-SCUM PALACE->Spotify O-WESTに向けてヴォーカリスト対談「この人に憧れて今の俺がいる」

────今回「KHIMAIRA-SCUM PALACE-」には他にも4バンド出演しますが、それぞれのバンドについておふたりの話も伺わせてください。まずはnuriéから。
●●●:俺は一昨日遊びました。
────あら、意外ですね。
不破:今回共演が決まってから特に聴いてますけど、言葉がスッと入ってくるし、言葉だけに逃げてない印象もあります。ヴィジュアル系に寄りかかり過ぎてなくて、音楽をやる中で言葉を武器にしている技術あるバンドだと思います。それって俺たちがやりたいことでもあるんですよね。音楽を通して伝えたい確固たるものがあるんだと感じますね。でも、言葉選びもセンスがある。日本語が綺麗。
●●●:俺はnuriéの音楽が好きですね。「RooM-6-」って曲がすごい好きで、こういうのやりたいねって思った時期があったんですよ。
────●●●さんの音楽とは全然カラーが違いますけどね。
●●●:まぁパワーコードと開放弦1フレット!みたいな感じの曲ばっかり作ってますからね(笑)。でも、俺の中では「RooM-6-」って結構“っぽさ”があると思ってて。この曲が出た頃と今のnuriéはだいぶ違う感じだと思うけど、当時の俺にはめちゃくちゃ刺さりました。好きなツボですね。ダウンチューニングでもなく不協和音でもないのになんでこれを出せるんだろうって思わせてくれたと同時に自分の課題にも気づかせてくれましたね。
────続いては両バンド共に交流がなさそうな色々な十字架。
不破:色々な十字架には早く会いたいんです。実は「#没」が一番最初にとあるバンドさんのオープニングアクトをやらせていただいた時に、メイクしながらうちのベースが「ヴィジュアル系は今こういうのもあるぞ」見せてくれたのが色々な十字架の映像だったんですよ。それを見ながらメイクして、初めて「#没」としてステージに立ったんですよ。
────ちょっと縁を感じますね!
不破:そう。だから今回は色々な十字架との対バンっていうのが俺ら的にはかなりアツいんですよ。まだ生でライヴを観たことがないんですけど、一説によるとライヴ中にミュージカルをすると聞いているので早く観たいですね。
●●●:ああいうバンドってだいたいつまんないことが多いんですよ。でも「知識」って曲あるじゃないですか?あれヤバくないっすか?(笑)。メジャーなお笑いのセンスじゃなくて、ホリケンさんや初期のダウンタウンさんみたいなムードで。
────シュールだしシニカルで。
●●●:“ごっつえぇ感じ”頃の板尾さんの笑いの匂いがあるんですよ。
不破:わかる~(笑)。
●●●:俺、子どもの頃は松本人志さんに憧れてお笑い芸人なりたかったぐらいお笑い好きなんですけど、センス的に色々な十字架はかなり好きですね。「知識」だけじゃないけど歌詞とかもめちゃくちゃで良いっすよね。

▲シークレットバンドVo.
────この2バンドで来年2マンやってほしいんですよ。宇宙と地底ぐらいベクトルは違うけど、メインストリームに対してのトガり具合はちょっと似たものを感じますよ。
●●●:全く噛み合わなさそうで、それが絶対面白そうですね。是非やりたいっす。
────この出会いも楽しみですが、続いてはCHAQLA.
不破:アニィさんが九州の先輩ってのもあるんですけど、なんか普通にファン過ぎて、ファンとしてCHAQLA.さんの活動を楽しみにしてます(笑)。あと、全員がヴォーカルですよね。例えばドラムのBikkyくんも本来ドラムって後ろにいるからポジション的に見づらいじゃないですか?でもオーラでめっちゃデカく見えるし。それぞれがぞれぞれの個性のプロフェッショナルっていう集団だと思いますね。
────●●●さんはこういうメディアの場でCHAQLA.について語ったことってないですよね。
●●●:そうですね。でも、俺の中ではライバルだと思ってます。最近だと「ライバルはCHAQLA.」って言ってるヤツらいるじゃないですか?何をもってライバルだって言ってるのか全く解らないヤツらが多すぎませんかね。まぁお客さんから見たら俺もそう見えてるのかもしれないし、別にそれでもいいんですけど。アニィと初めて会ったのは、アイツの前の前のバンドの時だったんですよね。当時のバンドのドラムと交流があって「うちのヴォーカルやばいよ」みたいにあらかじめ聞いてたんですよ。ヤバいって言っても別に軽くいなせるだろうって「何言ってんだこいつ。俺の方がやべーに決まってんだろ」ぐらいに思ってたんですよ。それで、当時の曲を聴いてみたんですけど、一発で“あ、こいつ本当にこれ言ってんだな”ってわかる歌詞だったんですよ。あの時、ヴィジュアル系にほかにそんなヤツいなかったんで、俺はそれで好きになりました。ヴィジュアル系のレジェンドや先輩方には感じてたものを初めて同世代から感じたんです。あ、コイツはすげえかもって思いましたね。そこからアニィとはずっと仲良いですね。あの時点でアニィはすごかったんですけど、CHAQLA.に対しては、アニィが本当に本当の心の底から出てくるものを表現できるバンドをやっと組めたねって気持ちなんですよ。良いメンバーがいるし、俺から見るとメンバーもアニィの色に染まってる。そんなバンド強いに決まってるでしょって印象です。俺はライバルだと思ってます。
────アニィさんもまた●●●さんのことをライバルだと認識してますし、正々堂々とヒリつけますよね。最後はMAMA.です。「#没」はCHAQLA.とMAMA.どちらもツアーの福岡公演でオープニングアクトを務めてます。
不破:MAMA.はCHAQLA.とはタイプが異なるすごいバンドだと思います。CHAQLA.は全員がスターで、アニィさんが目に飛びこんできて次に楽器隊がそれぞれ目に入ってくるイメージなんですよ。観てる時に目が一つじゃ足りないようなライヴをするし。逆にMAMA.は一点を見たまま目を外せなくなるようなライヴですよね。個ではなく、MAMA.っていう一つの塊の力…結束力っていうのとも全然違うんですけど、塊としての力とダークな世界観がマジですごい。芯が太い。グリッチホップやハイパーポップとか最近流行りの要素を楽曲の中にミクスチャーしてるけど、その感じが“このバンドはヴィジュアル系だけで留まらないだろうな”と思わせられます。JiMYYさんがこの前の「KHIMAIRA」でMUCCのことを「あれが未来の僕たちです!」って言ってましたけど、確かにTHE・ヴィジュアル系なのにサウンドは近未来的なんですよね。色んな要素を集めてもヴィジュアル系でいるところはMUCCっぽい。すごいバンドだと思うからこそ、俺たちも絶対負けたくない存在です。
●●●:俺はMAMA.がどういうバンドなのかっていうのが思いつかないです。それはなんでかって言うと、MAMA.って何なのっていう本質が俺にはいまだに見えない。でも、多分これから見えてくるんだろうな。去年再始動してからのライヴを観た時に“正直、何が変わったの?”って印象しかなくて、進化もしてないし正直相手にならないと思ったんですよ。ヴォーカルの命依とはだいぶ付き合いも長いんですけど、アイツは歌を歌っている人っていう印象があって。歌を大事にしたいのかな?ってずっと思ってたんです。だとしたらヴォーカリストとして弱くない?って。でも、ちょっと前に遊んだ時にそれこそ「KHIMAIRA」に出た時のライヴ映像を見せてもらったんですよ。その定点映像からでも感情がめちゃくちゃ伝わったし、前のめりになっちゃうぐらい伝えようとしている姿勢の歌に変わってたんです。このちょっとの期間の間に一体何があったの?っていうぐらい見違えるほど良くなってるんですよね。ただ、それでも俺にはMAMA.の色っていうのがまだ見えてこなくて。バンドとして未完成なところが多いけど、その色が見えたときにどうなるんだろうって思うし、その余白が良いところだとも思います。常に次が気になるバンドではあるし、俺も気になってる。そういうバンドっす。だからどういうバンドかって言われたら“意地悪”(笑)。早くお前のやりたいこと見せてくれよって焦らされてる。流行りの刻み系の曲とか、ズンズン系のやつも俺は正直もう飽きちゃってるんですよ。でも、そうじゃない曲を出した時にどうなるんだろうって言う期待もあるし、恐らくそうじゃない曲を出してくるバンドだと思う。今の曲たちに頼らなくても成立するようになったらさらにバンドとして見違えるでしょうね。
────それぞれの視点と関係性からの深い考察ですね。ありがとうございます。さて、最後は両バンドにとって「KHIMAIRA-SCUM PALACE-」がどんな日になるかを教えてください。
不破:意気込みっすよね?
●●●:難しいよね(笑)。
不破:でも、ここで言葉を並べるとタネを明かすことになるので「やったるぞー!」でお願いします(笑)。
────さすがマジシャン!
●●●:まず俺らってイベント全然誘われないんですよ。
────怖がられてるんじゃないですか?
●●●:怖がらせてるつもりないんですけどね。O-WESTに立つのは久しぶりなんですけど、そうですね…俺らは“異なろう”と思います。うちがやることは“異なること”です。同じ土俵にはいないよと。
取材・文:山内 秀一

■KHIMAIRA -SCUM PALACE-
2024年12月1日(日)Spotify O-WEST
<出演>
CHAQLA.
MAMA.
nurié
色々な十字架
「#没」
and Secret
●OPEN 15:15/START 16:00
【チケット料金】
前売り:¥5,400(税込)
※オールスタンディング ※入場時ドリンク代別途必要
※未就学児入場不可・営利目的の転売禁止
※チケットはスマチケのみ
一般発売中!
https://eplus.jp/khimaira/