【DEZERT】12月27日、日本武道館ワンマンを目前に結成以前からのヒストリーを辿るフルメンバーインタビュー
普通にやってるだけじゃダメかもって感じだしたんですよ。
────SORAさんが正式加入に至ったタイミングでAcid Cherry KingからDEZERTになったんですか?
Sacchan:いやもうDEZERTになってました。SORAくんは始動から半年後くらいに正式加入なんですよ。
千秋:DEZERTの初ライヴは2011年の9月なんだけど、SORAくんは叩いてないんですよ。その時は別のサポートドラムだったんで。
SORA:でもアイツ最高だったよね! 俺それ観てたもん。「「眩暈」」で踊ってたもん(笑)。
千秋:あれは良かった。みんな爆笑だったよな(笑)。
────そこからSORAさんが2012年の3月に加入したんですね。それで音源制作も進め、2013年9月には早くも初のO-WESTワンマン“脳みそ。”を開催と順調に上り詰めていった時期だと思うんですけど、当時はどんなスタンスでした?
千秋:オーソドックスやったと思うよ。対バンしていろんな人に観てもらう、それで会場限定音源を買ってもらう。本当それを続けた感じで特別なことはしてないです。普通にビラ配りもやったし。最低でも月に4回以上はライヴするっていう決まりだけあったけど、そこはBlackHoleの店長も力になってくれてしっかりしたバンドとの対バンに出してくれたんですよ。こっちも動員ないんであんまりお願いとかできる立場じゃなかったんですけど、周りの方のお陰もあってDEZERTになってから1つも変なイベントには出てないですね。
────やりたいことがたくさんあるんだなという印象があって。ライヴ中にラジオみたいな演出もありましたよね。
千秋:あったね。当時うちらは事前に録音したものをMC代わりに流してたんだよね。
────Sacchanもお面被ってたり。
Sacchan:あぁ、そういう曲もありましたねぇ。
────今でもステージでリコーダー吹いてらっしゃるし、そのあたりの遊び心はずっと残ってるんですよね。Miyakoさんは2013年ってもうMoranに入ってたんですか?
Miyako:多分そうだと思う。
────この時期はDEZERTとMiyakoさんは出会ってました?
千秋:あのね、その前の2011年頃にDragonWAPPPPPPERに俺の同郷のやつが加入したんですよ。だから関わり自体は生まれてたんです。うちらの主催イベントに出てくれたんだよね。DEZERTじゃなくてAcid Cherry Kingの時。そのすぐあと、2011年DEZERTになる時ぐらいにDragonWAPPPPPPERは解散してる。
Miyako:詳しいね(笑)。それで俺はその次がMoran。
千秋:Moranは知ってると思うけど、DragonWAPPPPPPERよりまたさらに2つ上のゾーンのバンドなんですよ。もう関わり合うことは基本ない(笑)。遥か遠く上の存在でした。
────MiyakoさんがMoranの頃ってDEZERTは気になる存在でした?
Miyako:うん。なんかね、とにかく目立ってるイメージはあったね。俺もそもそもヴィジュアル系が好きだからさ、いろいろ聴いてるなかでDEZERTの曲もYouTubeとかで目にしてたし。良いバンドだなって思ってたよ。
────MiyakoさんがMoranで活躍しているなかで、DEZERTはO-WESTワンマンを3回やったじゃないですか。ソールドアウトするまで次のステップに行かないって。3回目でようやく2階まで埋めることになったわけですが、あの時期のことは覚えてます? それこそSORAさんはアルバイトとバンドに明け暮れて休む時間もなかったじゃないですか?
SORA:うん。でも、俺はあの頃はバンドのことを千秋とSacchanに丸投げだったな。まずドラムが下手だし練習をするしかなかったんだよね。バイトに明け暮れて、それ以外の時間は正しい練習の仕方もわかんないけどずっとドラムを叩いてたなぁ。いろんなバンドを聴いてガムシャラにコピーしまくってた時期だったから、バンドの進め方とか方針とかそういうのは何もできてなかった。メールの返信とかデスクマネージャーみたいな細かい事務作業はしてたと思うんだけど、頭脳的なこととか、自分から行動して何かを提案していくっていうのは全くしてなかったと思いますね。インタビューとかでも、「この発言はDEZERT的にオッケー?」みたいに半信半疑で発言してたし。当時は千秋の発言が絶対的にインタビューで取り上げられてたから、そこで俺が違うこと言っちゃうとバンドとしてブレてることになっちゃうしね。あの頃はインタビューとかやりたくなかった。もうとにかくバイトさせてくださいみたいな感じ。細かい事務作業はちゃんとやるから、バンド活動に関わる大きなことは千秋とSacchan頼むねって感じだったかな。
────Sacchanにとって当時はどんな時期でした?
Sacchan:O-WESTに行けるバンドっていうゾーンに片足突っ込んだ時に、自分自身で舞上がっちゃったのは事実としてあるかもしれませんね。ほら、もう沼の底出身だから(笑)。でも、最初のWESTで我に返ったんです。ソールドしなかったから急に冷静になっちゃったな。
千秋:あはははは(笑)。
Sacchan: O-WESTってターニングポイントというか、街のどこかにあるライヴハウスじゃなくて建物自体がライヴハウスじゃないですか。そういうところに出れるってことでこのままDEZERT行けるんじゃないかって思ってたんです。だけどソールドしなかったことによって、普通にやってるだけじゃダメかもって感じだしたんですよ。当時、アドバイスしてくれた人から「ソールドするまでO-WESTでやり続けなよ」みたいな提案されて、そんな方法もあるんだって衝撃を受けた覚えはあります。そういう発言やスタンスを提示することによってバンドとしてプロモーションも含めて強くなれるんだって。冷静になったと同時に頭脳的なところもちゃんとしないとなって整えだした時期ですね。
千秋:あの頃はやるべきことがいっぱいあったから、なんかあんま悩んでる暇がなかったな。でもお客さんを付けようと闇雲に必死っていう感じでもなく、何が足りないんだろうってロジックで考えだしてたと思う。ただ1個覚えてるのは、Crazy★shampooのイベントでO-WESTでライヴやったことがあって。Crazy★shampooがその当時、カッコいいしめっちゃ動員がいたのよ。それでライヴ後に俺が楽屋で「今日、Crazy★shampooに負けたな」って言った時にSORAくんが「俺、自分のバンドが負けたとかいう人とバンドやりたくないんだよね」って俺の横を通り過ぎ……なんやこいつと思って(笑)。
Sacchan:(笑)。
千秋:でも、実は俺そこからの人生で「相手のバンドのほうがカッコいいよね」って言ったことないんですよ。SORAくんが言ったことに対して、「確かにそうだな」って思って。今でもさ「今日マジDEZERTにボコ負けだな」とか言ってくる人もいるんですよ。でも俺らはそんな話は一切ないから。誰かに負けたとかないでしょって思ってる。ライヴの動員が少なかったなら、むしろ動員多い人に観てもらえて良かったなって思えるし。その感じが当時のDEZERTだとトガってるふうに見られてたような気もするんですけどね。
────トガりまくってたと思いますよ。
千秋:でしょ? でもね、自分らなりにちゃんとロジック通りだったんだよね。すごい考えてたよ。周りがフルアルバムを出すような時期でもあったんだけど、「アルバム出したってどうせ全部聴いてくれないんだから、ミニアルバムでいいよね」みたいなことを考えて『特製・脳味噌絶倫スープ~生クリーム仕立て~』を出したりね。
────そのへんの作戦っていうのはさっきSORAさんも言っていたように、千秋さんとSacchanが主軸となって考えました?
千秋:作戦ってほどではなかったけどね。やっぱりWESTがソールドしなかったことは大きい。でも、みーちゃんはMoranでその時にもっと遠いところにいたから。2013年のDEZERTでようやく当時のDragonWAPPPPPPERに追いつけたかちょっと超えたぐらいのイメージ。DragonWAPPPPPPERは地道にやってるバンドで調子に乗ってデカキャパとかやったりしてなかったもんね。
Miyako:そうだねO-Crestとかだね。
千秋:それで俺らはO-WESTやって埋まらなくて、次は埋まるかなと思ったら動員が下がって……って話はまぁいろんな媒体でしてるんだけど、そこから上に行くビジョンが全くなかったんですね。そこでZEAL LINKっていう当時俺らの流通をやってくれてた会社の方に相談するんだけど最初は全然相手にしてくれなくて。SORAくんが渋谷の店舗に段ボール持って無理やり突撃したんです。それで面白いバンドだなって話聞いてもらえて、そこからようやく作戦って言える動きが始まった気がする。2回目のWEST終わってからは完全にそうなりました。
SORA:雨のなか、CDの段ボールを持っていったよね。傘をさすと段ボール持てないから土砂降りのなかそのまま持っていったのは覚えてる。雨でぐちゃぐちゃになって破れた納品書持っていったら、担当の方と社長さんがかまってくれたんだよね。
千秋:社長が出てくることってまあないですよ。当時ZEAL LINKってかなり敷居が高かったから。
SORA:受付で社長さんに挨拶したいって言ったら、「社長は外出していません」って言われたんだけど、「いえ、上の階にいるの知ってますから」って言い返して(笑)。それでまぁなんとか。
Sacchan:すごいよね(笑)。
SORA:何か大切なお話しする時って一番偉い人に話さないといけないじゃないですか。だから、「CD置いてくださいの挨拶です」って渡したのを覚えてますね。