「ΛrlequiΩ PRESENTS 「friend&fiend」2025開催に向け暁の呼びかけで行われた全3回に渡る座談会。vistlip海、BugLug一聖を迎えての第1回、暁から出た言葉“会話がしたい”とは!?」
自分のことで手一杯な時代だからこそ人と手を取り合って生まれるものの凄さをあらためて感じたい
────ところで、先ほど暁さんは海さんのことを駆け込み寺として頼りにしているところがあるとのエピソードがありましたけれど、一聖さんにとっての駆け込み寺というのも存在していたりするものですか?
一聖:ディズニーかな。
海:そういうことか!おまえのインスタ、マジでディズニーばっかだもんなぁ。
暁:何回くらい行ってるんです?
一聖:いやー、2024年は相当行ったねぇ…
────年パスがなくなってしまった今、一聖さんはガチ勢でいらっしゃるのですね。
海:えっ!年パスなくてあんな行ってんの?狂ってんな(笑)
暁:モト取るとかじゃなく、純粋に行きたいから行ってるってことですよね。
一聖:そう、最高の癒やし。
▲一聖(BugLug)
海:先輩に意見聞くとかはあんまないんだ?
一聖:そうですね。普通に会うことはあるけど、そんなめっちゃ慕ってます!先輩の言うことが絶対!!みたいな人はいないかな。
────海さんはご自身が何かに頼りたい、誰かに頼りたい、となられた時は主にどうされているのです?
海:頼れないのがよくないところだなって自分でも思うし、メンバーにもこれはよく言われることですね。たまにタイミング良く逹瑯さんとメシに行けたり、キャンプ行くことになったりした時は、人が少なくなる隙を狙ってちょろっと話すと凄い的確なアドバイスを頂いてますね。でも、人が増えると全然相手にしてくれない(苦笑)
一聖:それ、そうだわ!
海:ほんの5分前までメチャクチャ真剣に俺の相談聞いてくれてたのに、その場に数人増えた瞬間になんで急に悪ふざけしたりろくでもない事とか言いだすのかな??ってなるんですよ。
一聖:あの切り替わり、凄いよね(笑)
海:というわけで、僕はそんなに多いわけではないけど稀に逹瑯さんに一番お世話になってます。そして、一生勝てないと思ってる人でもありますね。いろんな意味で。
────このくだり、記事にしてしまってもよろしいですか(笑)
海:大丈夫じゃないですか?やっぱ、パートも違うし立場もやってる年月も違うから、僕が見えてるところとは違う視点からの率直な意見っていうのが凄い参考になるんですよ。さすが見渡してる範囲が違う。身長も高いし(笑)
暁:物理的に(笑)
海:自分が暁とか後輩に対して今みたいな接し方するようになったのも、あの人のおかげっていうところが大きいですよ。
────そうしたあたたかな支えや友情もありながらのここまでがあるのだとは理解しつつ、ここでさらにもうひとつみなさんに敢えての質問させてください。それぞれにキャリアを積み重ねて来られた中で、過去に一度でも“音楽をやめるかもしれなかった瞬間”を経験された方はいらっしゃいますか。
一聖:全くないっすね。BugLugより前のことも含めて、そういうのはなかったです。
海:むしろ、僕はvistlipに入る前に一回ヤメてました。就職決まった後に元々友人だった智に、深夜のモスバーガーの奥の席で「うるせーよ!オマエいつになったら俺とバンドやんだよ!!ギターはもうオマエに決めたんだから!!」って凄い詰められて、それでも「俺はもうやらない。ちゃんと納得できるようなかたちじゃなければ」って断固拒否してたんです。
暁:なんか少年マンガみたいっすね。
海:でも、とにかくしつこくて引き下がらなかったんですよね。でも何故か、急にまあいいかって思えてしまって。バンド組もう、とりあえずボーリングでも行こうって言ってその日にvistlipが結成されたっていう(笑)。翌日、就職が決まってた先に「来月から社員っていうことでしたけど、今月で辞めます!」って電話したら「マジで困るんだけど!」って言われました。
────そこから約18年。そろそろvistlipとしては20周年も見えてきたところですね。
海:おかげさまで、うちのバンドを始めてからは辞めたいって思ったことはないです。
────暁さんはいかがでしょう?
暁:コロナが始まった頃に、状況がどうこうというよりは自分の中でよくわかんなくなった時はありました。
────2021年夏に発表された「世界の終わりと夜明け前」の詞にあった〈絶望の夜に〉とは、暁さんにとっての紛うことなきリアルであったわけですね。
暁:アルルカンをここからどうしていけばいいのか、わかんない時期がしばらく続いててあれはしんどかったですね。でも、あそこでバンドのカラーを意識的に変えたのが良い転機になったんですよ。そこからいろんな変化もあって、今はこのバンドやっててこれまでで一番楽しい時期になってると思います。
────それは何よりです。だからこそ、去年に引き続いて今年も[ΛrlequiΩ PRESENTS 「friend&fiend」]が実現したとも言えそうですね。それぞれのバンドが紆余曲折を経ながらも、今こうして最前線で切磋琢磨している姿をイベントというかたちで堪能させていただけるのは、オーディエンス側としても貴重な機会だと感じています。
暁:間口はなんでもいいんですよ。普通に「このメンツ楽しそう!」でもいいし、海さんのさっきの話の逆で「暁が相談に乗ってもらってるvistlipも出るんだって!」とか、「いつもΛrlequiΩが呼んでもらってる[バグサミ]を主催してるBugLugだ!」とかね。もう最悪、このイベントに来られないとしてもまず興味を持ってもらうだけでもいい。「friend&fiend」だけでもこれだけ背景があって、どのイベントにもそこに関わってくれる人たちのいろんな感情が渦巻いてるって知ってもらえれば。人間のやってることだからこそ、まずはこの感情のうごめきが伝わってくれたら嬉しいです。そのうえでわざわざチケットを買って、時間を作って会場まで来てくれたらとっても嬉しい。
────YouTubeの動画や、サブスク音源では味わいきれない、生のライヴだけが持つ絶対的な臨場感と説得力はその場でしか味わえないと思います。
暁:人間がやってることだけに、バンドってコスパはメチャクチャ悪いですけどね。ましてや、ヴィジュアル系はメイクと衣装にもガッツリ手間をかけてるんで(笑)。今時、ポンってタップひとつで音楽なんて流せるのにですよ。
────アーティスト本人が顔や姿さえ見せずとも成立するライヴがあったり、歌も含めて音源が流されて実質的にはダンスパフォーマンスが中心となるライヴがあったりする現実を思うと、ヴィジュアル系ほど多角的に舞台表現の追求が叶うジャンルはミュージカルのほかにそうない気がします。しかも、台本がある演劇とは違ってライヴにはリアリティも満載ですので。今回のイベントでも、アーティストたちの“血の通った”躍動ぶりに期待したいところです。
暁:もう何が良いとか悪いとかの次元でもなく、俺らは“これ”がカッコいいって心底思っちゃってる人間の集まりですからね。今回のイベントに関しては、誰もが自分のことで手一杯な時代だからこそ人と手を取り合って生まれるものの凄さをあらためて感じたいし、みんなにもそれを感じて欲しいとも思ってます。
────vistlipとしては[ΛrlequiΩ PRESENTS 「friend&fiend」]の場で、どのような提示をしたいと考えていらっしゃるのでしょうか。
海:うちは新しいアルバム(『THESEUS』)が1月に出て、ツアーファイナルも1月なんですよ。去年から続いてきた流れをそこで一旦終わらせて、次どうしようっていうフェーズに入るタイミングでのイベントなんで、刺激があればあるほどいいなって思ってますね。それも、刺激っていうのはバンドからだけじゃなく観に来てくれるお客さんたちから受ける刺激にも少なからず期待してるんです。これは絶対対バンとかイベントの時じゃないと得られないものなんで。
────それはどういう意味なのでしょう。
海:たまに他のバンドのお客さんで「とんでもねー動きすんな、こいつら!っていうケースがあるんです。人の身体の構造的に大丈夫な動きなの?上半身取れちゃわない??っていうパターンとかがあると、そういう子たちってうちの曲でもうちのファンとはちょっと違う動きをしてたりするんです。これが良い刺激になんですよ。「もしかして、次はこういう方向性の曲があってもいいのかな。いや、それだとうちらしくなくなっちゃうから、またそれとは違うアプローチを考えよう」とかね。そういう刺激もこのイベントで吸収しながら、2025年は対バンもワンマンもリリースも増やしていこうと思ってます。
一聖:うちもちょうど1月にツアーファイナルがあって、2月はいろんなイベントライヴに出て行く時期だし、2024年はリリースがなかったから今年はリリースもしたいと思ってるんですよ。そのうえでライヴ本数自体も多くしていきたいと思ってる中でのこのイベントなんで、ここからBugLugとしてダイナミックに動き始めていく中での1本っていう感じのライヴにきっとなっていくでしょうね。
海:今って、もうコロナって何だっけ?みたいな日常にはなってるけどさ。でも、あれで失ったものは失ったままになってるからね。今こそガツガツやるべきだな、っていうのはやっぱりあるよね。
暁:vistlipなら18年、BugLugだったら14年、ΛrlequiΩが12年とかだとして。今回のイベントはみんながここまで本気でやってきたものを、たっぷり感じてもらえるような日になればいいなと思います。でも、うっかりよくわかってない人が誰かに誘われて来て、いきなり人生が狂うことになるパターンも全然アリです(笑)
取材・文:杉江由紀
LIVE
ΛrlequiΩ PRESENTS 「friend & fiend 2025」
2月15日(土) 川崎CLUB CITTA'
■出演
ΛrlequiΩ / vistlip / BugLug / Royz / RAZOR
えんそく / ザアザア / DOG inTheパラレルワールドオーケストラ
■開場/開演
開場13:30 / 開演14:30
■チケット料金
前売¥7,000 (税込/D別)
当日¥7,500 (税込/D別)
■チケット
【A】イープラスプレオーダー先行
受付期間:12月28日(土)12:00~1月13日(月祝)23:59
入金期間:1月15日(水)13:00~1月17日(金)21:00
https://eplus.jp/arlequin/
※枚数制限:お一人様4枚まで
【B】一般発売
1月25日(土)10:00~
https://eplus.jp/arlequin/
※枚数制限:お一人様4枚まで
関連リンク
◆ΛrlequiΩ Official Site http://arlequin-web.com/
◆暁 Official X https://x.com/arlequin_aki
◆vistlip Official Site https://www.vistlip.com/
◆海 Official X https://x.com/umitwt
◆BugLug Official Site http://buglug.jp/
◆一聖 Official X https://x.com/issei05071118