ΛrlequiΩ PRESENTS「friend&fiend」2025開催に向け、暁の呼びかけで行われた全3回に渡る座談会ラストはΛrlequiΩ・暁、Royz・昴、DOG inThePWO・春、RAZOR・猟牙が登場!
後悔をするくらいだったら大きな決断はするべきではない
────春さんと暁さんの出会いは、遡るといつ頃のことになるのでしょうか。
春:正確にはよくわかんないなぁ。ただ、畑は違いますけど一応同じ事務所ではあるので。ヤだなとは思ってますよ(笑)
────え?!
春:このシーンの目立ったモン勝ちみたいなとこって個人的に凄く好きなんだけど、それとは逆に王道を行こうみたいなバンドもいたりする中で、あの時期にツノ生やして出て来た暁っていうのはなかなかねぇ。いいな!って思うと同時に、同業者としてはちょっとヤだなとも思ったし、今でもそう思ってるところがちょっとあるんです(笑)
猟牙:わかる。それなりにバンド長くやって来て、キャリアをそこそこ積んだところで、後からΛrlequiΩみたいなのに出て来られると「おい、なんやねん。それズルいって!」ってなること何回かあったもん。「そんなやり方あんのかよ!」みたいな(笑)
春:あるよねぇ。そういう印象の方が強くて、何で最初にしゃべったとか覚えてない。
暁:確か[B.P.R音楽祭]の海外ツアーの時みんなで廻んなかった?あの時、けっこうしゃべった気がするんだけど。
昴:そうそう、あれは今思うとデカかったね。
春:超楽しかったぁー。あれが2015年とかだっけ?
暁:わー、もう10年前なのか…。あの時に、春が「タメ口でいいよ」って言ってくれたのを今でも良く覚えてる。僕からしたら先輩やからっていうのはあったけど、そこからは遠慮せずに話せるようになったんですよ。
春:暁に対しては絶対に敬語を使わないでください、って思ってるもん。僕自身が上下関係なくタメ口で行っちゃう性質の悪いタイプだしね(笑)
────昴さんと暁さんもその海外ツアーで初めて話すようになられたのですか?
暁:そのもっと前からですね。
昴:暁がΛrlequiΩを始める前からの付き合いやもんな。うちのバンドを脱けたメンバー(ギタリスト・和稀)と、暁が上京してから一緒に住んでたこともあったし。
春:ほんと?それ知らなかった。面白過ぎ!
暁:「行くとこない。明後日から泊めてくれ」って言って。そこから半年おった(笑)
昴:そんな縁もあったりするから、俺にとっての暁はほかのヴォーカリストともまたちょっと違う存在なんよな。
暁:そういう意味では、Royzも僕にとってはほかとはちょっと違う存在かな。RoyzがHOLIDAY大阪をホームにしてた時、会場をパンパンにしてライヴやってるの観たことあるんですけど、当時はΛrlequiΩもまだやってないし、和稀と友だちやから観に行ったっていうだけの話やったんですよ。そんなライヴハウスがパンパンになってる光景なんてそれまで観たことなかったから、「和稀のバンド、凄ぇんだな!」って思いましたね。
昴:そこからしばらくしてΛrlequiΩを組んだんやもんな。それまでもバンドはやってたけど、あんまりうまくいってる雰囲気ではなかったみたいやから、俺としても「やっといいメンバーと出会えたんやな」と思って嬉しかったんですよ。しかも、バチイケで発進してどんどん俺らを追い越してった(笑)。だけど、感覚的にはここにいる4人はもう上とか下とかそういう枠組みじゃ語れない関係だと思ってます。
春:そうそう、もう年齢とかキャリアがどうとかそういうことじゃないよね。
昴:俺らなんかはBORNともめっちゃやってたし。
猟牙:イベントツアー、ようやったよな!
昴:ここではちょっと文字に出来ないようなアソビも一緒にしたことあるし(笑)
猟牙:岡山のアレか(笑)
────いやはや。ある意味、みなさんは今回のイベントタイトル[ΛrlequiΩ PRESENTS 「friend&fiend」2025]を地でいく関係性にあるとも言えそうですね。
暁:友だちであり悪魔みたいな(笑)。そもそも今回の“「friend&fiend」”っていうのはfriend=友だちで、fiendの方には悪魔っていう意味もあるんやけど、これはfriendからrespectのrが抜けちゃうと…っていうことでつけたイベントタイトルなんですね。つまり、僕の場合どうしても普通に友だちっていう以上にバンドマンに対してはそこにリスペクトの気持ちが必要で、それがあって初めて一緒にいられるもんやと思ってるんですよ。だからこそ、みんなに今日ここまで来てもらったわけです。
猟牙:そのイベントタイトルの話を聞いて、あらためて思ったわ。暁くんってほんっっと、いろいろ真面目に考えてるよね。楽屋で一緒になったりする時もさ、俺は歌詞のこととか訊きたいこといっぱいあるし、もっと仲良くなりたいから話しかけるんだけど、こっちが1投げたら暁は10くらいのベラ語りで返してくるんですよ。
暁:あれはその、どこからどう説明していいかよくわかんなくてつい話が長くなっちゃうというか…(苦笑)
猟牙:あんだけ全力で返してくれると、ライヴ前に疲れさせちゃうなと思ってねぇ。
暁:ってことは、ATフィールドを張ってたんじゃなく俺に配慮してくれてたんですね。
猟牙:そういうとこはある。それに、俺としても軽い気持ちで話しかけたつもりがそこから20分くらい拘束されちゃうし(笑)
春:あはははは(笑)
猟牙:これはお互いのタイミングを見計らわないと話すの大変だな、ってあれ以来思っててて。そのくらい、暁くんは超真面目な人なんですよ。
暁:じゃあ、今後はもうちょいコンパクトにいきますね。
猟牙:いやいや、全然そのまんまでいてください。で、暁くんが俺をリスペクトしてるのはどんなとこなん?
暁:猟牙さんって陽キャだと思ってたんですけど、前に「実は暗いんだよ」って言ってたじゃないですか。
春:それ、日にもよるんじゃない?日によって気分のアップダウンがある感じ??
暁:だとしたら、気分のアップダウンのある人が毎回“あのステージング”出来るの凄くないですか。俺そこがずっと不思議で。
春:そうかな。気分のアップダウンがあるからこそ出来るんじゃない?アレを。
暁:そういうことなんか…!
春:猟牙は明らかに暗いとこあるって。暗いとこは超暗いと思う。で、暗いヤツがハイになってるのがあのライヴの状態なんでしょ。化粧することで切り替わる、っていうのもきっとあるんじゃない?
猟牙:そうなのかもね。人前に立ったり、友だちに会ったりすると一気にスイッチが入るっていうのもある。
春:それ以外の時はブレーカーがバン!って落ちちゃうんじゃない?
猟牙:でも、どっちもホントなんだろうなとは思う。
暁:俺はそのスイッチが入ってる状態を昔からリスペクトしてるんですけど、そのスイッチが毎回切り替わってることも今あらためて知って凄いリスペクトを感じてます。そこまでパキッと切り替えられるって凄い!
猟牙:あぁ、だから今日も俺ここの部屋のドア開けるまでは死にそうな顔してたと思うよ(笑)。部屋に入った瞬間、まずは昴の顔が見えて一気にスイッチ入った。
暁:そう聞いちゃうと、鬱モードの状態もちょっと見てみたい…
猟牙:人と一緒にいるとなんないからなぁ。このあいだ先輩のライヴを観に行った時も、鬱モードだったんだけど知り合いに会っちゃったらすぐ切り替わったもんね。なるべく見つからないようにコソコソしてたのに(笑)
暁:それ凄いなぁ。
春:ねぇ、ねぇ。次は僕を褒めて♡
暁:俺、春もウェイウェイしとるもんやと思ってたんやけど。違うんやな、っていうことが最近ちょっと分かってきたんですよね。
春:付き合い長いのに。僕のこと、何もわかってなかったのね!
猟牙:じゃあ、俺が代わりに褒めるわ。春もスイッチ入るタイプだもんな。このあいだ、一緒にツアー廻った時めちゃくちゃカッコ良かった!
暁:なんか、今ちょっと混乱してるかも。今日の春、しゃべり方とか立ち回り方とか普段とちょっと違くない??
春:そりゃそうでしょ、人がいっぱいいるもん。夜中にふたりだけで電話してる時とは違って当然。
暁:電話で話してる時の落ち着いたあの感じは、俺からすると“兄貴”っていうイメージが強いんですよ。でも、DOG inThePWOとしてやってる春はもっとエンターテイナーというか。今日のこのちょっと様子伺ってる?感じはちょっと意外(笑)。そうか、春もスイッチが切り替わるタイプだったんだ。余計に尊敬するわ。
猟牙:ヴィジュアル系っていうのはこうじゃないと(笑)
────そういえば、DOG inThePWOは復活して今どのくらいが経つのでしたっけ。
春:9ヶ月(※座談会の開催は12月末)です。
昴:あっという間やなぁ。
────9ヶ月が経った今、ここまでの流れを春さんはどのように感じていらっしゃいます?
暁:それ、俺も気になる。
春:…己の不甲斐なさに苦悶する日々です。
暁:そんなキャラちゃうやん!ってか切り替わるとか言わん方がいいの??
春:大丈夫。今、ファンをガンガン振り回してるとこなんで(笑)
暁:2回目の座談会の時に、えんそくぶうさんが独立すると事務所におった時とは違って大変みたいなことを言ってたんやけど。今の春もそういうところがあるってことかな。
春:いかに護られていたか、ということを痛感する日々ですね。いかに己が“社不”かということも、ここに来て思い知ることになったわけです。その分、かなり視野が拡がったように感じております。とはいえ、こうした変化がここからの音楽性や自分の在り方にどうつながっていくかは、これからの頑張り次第だとも思っていまして。2025年はより積極的に動いていこうという気持ちです。
暁:なんか答弁みたいだねぇ。
────復活して率直に「良かったな」と感じているのはどのようなことですか。
春:己の不甲斐なさを感じたり、いろいろと痛感していることたちさえ、僕からすれば全て「良かったな」と思うことですね。
暁・昴・猟牙:おぉ…
春:後悔をするくらいだったら大きな決断はするべきではないと思うので、胸を張れるようにしていきたいんですよ。そして、そうなれるかどうかはこれからに全てかかっているということになるだけに非常に難しいところでもあるわけです。ということで、ここからは皆殺しにしてやろうと思ってます!
暁:最後だけトーンが急に変わったな(笑)