ΛrlequiΩ PRESENTS「friend&fiend」2025開催に向け、暁の呼びかけで行われた全3回に渡る座談会ラストはΛrlequiΩ・暁、Royz・昴、DOG inThePWO・春、RAZOR・猟牙が登場!
バンドが人気出るっていうことは、限りなく宗教的
────今の春さんからのお話を踏まえますと、今回のイベント[ΛrlequiΩ PRESENTS 「friend&fiend」2025]はDOG inThePWOにとっても重要な時期に迎える大事な一夜、ということになりそうですね。
春:僕はこのイベントが発表された時、Xで引用ポストする時に「メンツつよ!」って書いたんですよ。
暁:見た、それ!
春:あれはけっこう心からの発言というか、本音だったんですよね(笑)。暁の中の「強メンツとやりてぇ!」っていう気持ちもよくわかったし、その中に入れてもらえたことが凄い嬉しかったんで、僕はもうシンプルに頑張っちゃおうと思ってます。
────では次に。暁さんが昴さんをリスペクトされているのはいかなる点ですか。
暁:やっぱ、自分が定めた目標に対してまっすぐ突き進んでるとこですね。大阪から上京していった流れも含めて、あの頃からRoyzはずっと最前線で闘ってますからね。なんやったら、シーンの流行りまで創ったやないですか。で、最近になって思うのは昴くんが前よりもさらに凛々しくなった感じがするんですよ。変わったというよりは、もともとそうやったんやとは思うし、ずっと進んで来た中での成長っていうことなんやろうけど、地道に積み上げていくことで成果を出してきてるのがカッコえぇなと思います。あと、人に対して壁を作らないところも凄い。
────第1回座談会では、vistlipの海さんが昴さんのことを「もはや若手っていうわけではないけど、昨日たまたまちょっと会って話をした時に「あともうちょっとしたら、こいつは周りを凄い巻き込む力を持つようになるだろうな」って思ったのはRoyzの昴かな」とおっしゃられていましたものね。
暁:そういう力を持ってる人間って、そうはいないんですよ。
昴:でもね、俺は今日このメンツでしゃべれてるのが凄い楽しいよ。大体、こういう何人かでしゃべるってなると俺がひとりでワーッとしゃへるかたちになることが多いけど、ようやく頑張らなくていいメンバーと話せたなと思ってて(笑)。自分から頑張らな!って思うタイプではあるけど、結果ひとりで背負い込んでしまうことも多いから、今日はこの空間にいるだけで成立しちゃうことにホッとしてます。みんなからのいろんな話が聞けてるのも嬉しい。そして、さっき暁が言ってた変化の話だけど。あれ、俺が変わったのはコロナ禍の時やで。あそこで俺は全細胞が生まれ変わったと思ってる。
暁:えーっ!そんな感じやったんや??
猟牙:何があったのか聞きたい!!
昴:まず、ヒトのことがキライになってしまって。コロナ禍っていう特殊な状況で、あらゆるヒトというヒトが信用出来なくなっちゃったんですよ。それは周りに対してもだし、うちのメンバーに対しても。
────メンバーに対してもですか。相当に深刻だったのですね。
昴:それぞれで価値観にズレがあるのもしょうがいなし、みんなの気持ちもめっちゃわかんねんけど、それでも今まで作ってきたものがこんなにあっさり崩れ去るんや…っていう現実に直面したというか。でも、そこで気付いたんですよね。自分はこれまで常に何かに対して期待をしながら生きてきたな、って。
────そのこと自体は悪いことではないはずですけれど。
昴:いや、要は受け身だったんですよ。バンドに対しても、自分の人生に対しても。だけど、自分から何か行動して物事を起こしていくともう人のせいには出来なくなるじゃないですか。失敗したとすれば、そこで「誰かがこう言ってたから」とか「こういうやり方があるって聞いたから」とは片づけられなくなる。そのかわり、自分で決めて行動して失敗したんだったら「自分が悪いだけやん」っていうだけの話なんで。そのことに気付いた瞬間から、全身の細胞がブチブチブチ!って入れ替わって俺は生まれ変わっての今なんです。逆に言うと、あれがなかったら多分ここにいないでしょうね。
暁:そのレベル?!
昴:あのままだったら、バンド自体が終わってた思う。コロナ前からなぁなぁになってたところがあったし、みんな何かしら理由をつけて諦めてたところもあって、瞳からきらめきもいつの間にかなくなってたから。そこからの大きな変化やったんで、そこを暁とか海さんが評価してくてれるのかなとは思います。
猟牙:俺も昴はめっっっちゃ変わったと思う。前から熱さもあったし、イイやつだったけど、ここに来て本物の男になった感じがする。
暁:変わってからそれをずっと継続出来てるのも凄いよな。[Royz Presents COUNT DOWN LIVE 「GOD FES」]も成功させたし。
昴:そう、あれはみんなにも出てもらってね。
春:ほんとだ、ここにいる全員出てた(笑)
昴:あそこに出てもらったバンドは、みんな“あの場にいなくちゃいけない”くらいに思ってるメンツばっかりだったんですよ。自分たちで主催するのがそもそも14年ぶりくらいで、今の事務所に所属してからは全くやってなかったから。
暁:そうやったんや。意外。
昴:自分たちで何かを起こす、っていうタイプじゃなかったんでね。己龍の背中を見ながら、その後をなんとか着いていければと思ってたとこがあったんだと思いますよ。自分たちでアクションを起こしてそのリスクも負います、っていう風にはなれない弱い子たちだったんです。そんな自分たちがようやく起ち上がってやれたのがあの大晦日のイベントだったんで、ほんまにあそこに出てくれたみんながいてくれへんかったらいのあのイベントの辻褄が合わない!って俺は思ってたんです。DOGなんて、あの日は他ともかぶってるのにハシゴして出てくれてね。
暁:大晦日にハシゴ、っていうのがもうなんか感覚として懐かしい。いいな(笑)
春:昔はみんなよくやってたよね。ハシゴ好き!
昴:RAZORもSadieとのかねあいでいろいろね。スケジュール調整が難しかったところを、都合つけてくれたんですよ。そういう愛には愛で返すしかないなと。だって、ここにいる4バンドに限って言えばやけど、もし誰かがバンドをやめたとしたらもう多分バンドはやらへん気がしてるんですよ。
暁:俺はしないね。
昴:俺もしないと思う。別のバンドを新しくするなんて精神力は残ってへんと思うから、つまりもうこの1回きりなんですよ。そういう人生の中で、銀河系地球の日本で同じヴィジュアル系っていう世界で同じ釜の飯を食ってる仲間と、俺はいろいろ面白いことをやりたいって思ってるだけ。みんなでいたら寂しくないし(笑)
暁:このシンプルで熱い感じが“巻き込む”力になってるんやろうなぁ。
────余談ではありますが、海さんは一方で「まぁ、若干いわゆる思想が強めなタイプではあるんですけど(笑)。それだけに、あいつと僕は延々しゃべってられるんですよ」ともおっしゃられていたこと、ここに追加してお知らせしておきますね。
暁:それ言ってた、言ってた(笑)。まぁ、ヴォーカリストってわりとみんな思想強めではある気がするけど。
昴:年々そうなってくとこもあるんじゃない?昔は俺も、思想強めなことをSNSで発信するアーティストに対して「そんな余計なこと言わんでもえぇのに」くらいに感じてたけど、最近は「めちゃくちゃその気持ち分かる…」って思うようになってきたし。そういうとこあらへん?
暁:だって、そういう立場やもんな。
昴:そうやねん。結局、僕らはバンドをやってたら「その生き方をしたいです」とか「その音楽に救われてます」って思われる立場なわけやから。言葉を選ばずに言えば、僕らがやってることは思想の塊であって、新興宗教に近いとさえ言えるんちゃうかなと。…っていう話をするから、海さんに思想強いって思われてるんかな(笑)
暁:でも、俺もバンドでやってることは娯楽と宗教の間みたいなもんやと思ってるで。
猟牙:その感覚は俺もわかる。バンドが人気出るっていうことは、限りなく宗教的だよね。狂信的な信者あってのバンドみたいなところもあるだろうし。
昴:世の中、自分のことだけ信じて生きられる人ばっかりじゃないから。みんな頼りどころが欲しい、っていうのはあるんじゃないですかね。
暁:娯楽としては深く入り込み過ぎるところがあるし、宗教にしては欲望にあふれ過ぎてるというのはあるけど。そして、そこにくわえて政治まで入ってくると日本ではどうしても「エンタメだけ楽しみたいです」みたいなことになりがちではあるのかなぁ。
────もっとも、その「エンタメだけ楽しみたいです」という方たちも音楽に救われているところはきっとあるのではないですかね。同時に、アーティストの方々も発信している立場でありながら音楽に救われているところがあるのでしょうし。
暁:無理っすもん、これやってなかったら。
春:確かにね。歌詞で思っていることを自由に表現出来る、っていうことが出来てるのは音楽をやってるからこそなのかもと活休を経て思ったりもしました。そして、音楽は人と交わるためのツールでもあるんだろうなとも感じてます。ただ、自分は大体のことはどうでもいい中で歌だけはどうでもよくないとちゃんと思えたことなので、もしそれがなくてもどうでもいいなりに適当に生きて行く気はしますね。
昴:音楽してなかったらどうなってたと思う?
暁:ゴミやったと思う。
昴:ほんまに怖いわ。俺ホストやってたりしてたんかな?
暁:イイねぇ!その道でもちゃんと役職とかつきそう(笑)