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我楽多、鮮血A子ちゃん、共闘主祭「討伐」2月8日池袋Black Holeに向けて伐・Kōji・滅多刺しひろくんの超危険対談。「先輩後輩みたいな考えは捨てよう。俺は手加減しねえよ。」

憧れはもう捨てました。


────今回の3マンは我楽多と鮮血A子ちゃんの共闘主祭ではあるんですが、伐さんにとって両バンドがどんな存在なのかも気になります。

伐:う~ん………頑張って欲しいですね。

────可愛がっている後輩というイメージはやはりあります。

伐:普通に頑張ってほしい。我楽多なんて、前は酷いもんで特にKōjiは声量もないし、煽りもか細いし。お前どうすんの?ってレベルで、正直すぐに辞めちゃうだろうなって思ってたんです。でも、この前久々に我楽多を見たらライヴもちゃんとしてたし、何よりKōjiがちゃんとフロントマンでヴォーカリストだったんですよ。正直それがすごく嬉しくて、ちゃんと我楽多って言うバンドになってた。Kōjiはもともとギタリストでヴォーカルに向いてなさそうだったから、恐らくですけど、考えられないような努力をして今ここにいるはずなんです。その努力は俺が真似できるようなものじゃないし彼の強さです。ハッキリ言いますけどリスペクトしてます。

Kōji:……。

────沁みますよね。でも、ここ最近の我楽多は見違える進化をしていて、何があったんだろうって思わせられるワイドな迫力あります。

Kōji:嬉しいです!

伐:いや、本当にすごいことだと思う。

Kōji:ギターの時は一切褒められなかったのにヴォーカルとして少しでも褒めてもらえたのが嬉しいです。そもそも伐さんは人のライヴを観ないから、この前観てもらえたのが2年ぶりとかだったのでそれもグッときます。

▲Kōji(我楽多)

────本当にそうですよね。

Kōji:先輩だし可愛がってくれるけど、なんて表現すればいいんですかね?あの…偉そうなことを一切言わないんですよ。常に「お前の好きにすれば良い」っていうスタンスだから。だからこっちがお願いしてお願いしてようやく“俺の意見だけど…”って前置きつきでアドバイスをもらえるんです。本当は思ってることも見抜いてることもたくさんあるのに、まずは尊重してくれるんですよ。アドバイスも渋々口を開いてくれる感じだけど、悔しいぐらいに的を得てる。伐さんって何も考えてなさそうだけど、直感的に全部見えてるんですよね。実は音楽もすごく詳しいし、何がアリで何がナシかちゃんと言語化できるところも尊敬してます。ヴォーカルって技術だけじゃなくて生き様も反映されるパートだけど、伐さんはその全てが作り物じゃなくて剝き出しで、ステージ上でもステージを降りても変わらないからすごいですよね。俺は人のライヴ観てもあんまり感動しないんですけど、伐さんだけはめっちゃ感動する。それがまさに生き様なんです。裏側も知ってる分、より嘘がないことも解ってますから。

────変な話、影響を与えすぎる存在ってことですよね。

Kōji:そうですね。俺は伐さんに影響を受けてるんで、我楽多の最初の頃は衣装とかメイクも似てました。似せてるつもりなんてなかったんですけど、気がついたら勝手に。伐さんを超えようと思ってたけど、伐さんはこのアウトローな生き方があるから成立するステージであって、そもそも俺が目指すものじゃなかったんですよね。俺には汚さがないんです。真面目に生きてきましたし、大卒だし(笑)。だから同じ方向で闘うことが間違いだって気がついてからが俺のスタートなんです。憧れはもう捨てました。それで言うとひろくんはの場合は、自分と伐さんに近いものがあるから好きなんだと思うんですよね。だから同じ後輩でもひろくんと俺は真逆なんだと思う。

────たしかに今の我楽多Kōjiからは伐さんの影は感じないです。

Kōji:ただ、眼光で全てぶっ殺すってマインドは忘れないです。今は自分たちの曲、自分はどんな人間なのかに向き合ってステージに立ってます。

────こんな言葉もありますが、一方で伐さんにとって鮮血A子ちゃんはより近いベクトルを感じますか?

伐:A子ちゃんは俺とは違うヤバさを感じてます。陰鬱なんですよ。なんだろう…電波?

────電波?

伐:俺、アニメとかゲームめっちゃ好きなんですよ。それこそ上京する前はそういうものを表現できる音楽をやりたいなと思った時期もあって。ただ、自分に似合わなかったんです。鬱アニメとか鬱なエロゲーみたいな世界観って俺には表現できなかった。明るいのに暗いっていうか。わかります?そういう気持ち悪さ。

────何だろうって今考えちゃいましたね。

伐:明るい暗さがA子ちゃんにはあるんですよ。まみれたの大元にあるのは日常に潜む恐怖で。例えばの話なんですけど、普通に遊んでる時に殺人犯とすれ違ってたら怖いじゃないですか?“あとなんだろう…公園って日常生活における幸せの象徴みたいな場所で起きる殺人の方が怖いですよね。でも、A子ちゃんはそれとはまた別の日常に潜む恐怖がある。そして、それはA子ちゃんじゃないとできない世界観なんですよね。”死ね“しか書いてない歌詞とかも(笑)。

▲滅多刺しひろくん(鮮血A子ちゃん)

滅多刺しひろくん:その歌詞については伐さんからも「これなら誰でも書けちゃうよ」とは言われました。でも、あたし伐さんの言うこと聞かないんでその曲はそのまま出しましたけど。“死ね”って軽々しく言ってるわけではないんですよ。軽い言葉じゃないんで。いや、軽いけど重い言葉かな。でも、そういう“死ね”だったり“ドラッグ”だったりって言う言葉を吐くことによって「母ちゃん悲しませんなよ?」とも言われました。あと「ステゴロでいけよ」とも。

────優しいのか物騒なのか(笑)。

滅多刺しひろくん:あのですね、伐さんはお母さんをすごく大事にするんです。まぁあたしのお袋はそういう歌詞見てもなんとも思わないでしょうし、ライヴも観に来てくれないんで関係ないんです。MV撮るのたまに手伝ったりしてくれますけど(笑)。

Kōji:あっはははははは!(笑)

滅多刺しひろくん:でも、そこから考え方が変わったんですよ。この人やべぇなって。バランスがイカれてるんですよ。「指名手配が指名手配」でも“合わせてやってるんだよ”って歌ってるように。答えは出てるんですよ。

────伐さんの一番恐ろしいところってナチュラルにこの思想の人なのに、人情に厚くて、仁義を大切にするし礼儀正しいことですよね。まさに日常に潜む狂気。

Kōji:そうですよね。

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