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【メリー・ガラ】3年半ぶりのフルアルバム『The Last Scene』&全国ツアーに向けて単独インタビュー!「自分の人生の終わりと向き合った時に一番言いたかったことだった」

俺が一番投げかけたかったのは「The Last Scene」の最後の言葉


────後半に入るとアッパーでスリリングな「Glitter Glitter Glitter」、90‘sが漂う「In this world」で『The Last Scene』の世界が一気に色づいていきますね。このアルバムが決して暗い印象ではないのはここのブロックが肝に感じます。

ガラ:「In this world」はネロの曲ですね。ネロは前作あたりから“ガラにこういうのを歌ってほしい”ってイメージしながら作ってきてると思うんです。それまではネロ全開!!みたいな曲ばっかりだったから(笑)。90’sっぽさもそういう狙いだと思うんだけど、俺がそれに向き合ったところで多分“そういう曲”にしかならないんで、Aメロに英語を入れて変化をつけていきました。このアプローチはメリーで初めてかもしれない。

────楽曲的にはこれもガラさんの得意とする哀愁ものですね。

ガラ:歌謡曲的なものって、今聴いてもメロディーだけじゃなくて歌詞も良いですからね。なんだかんだ子どもの頃に聴いてきたものが、身体に染み込んでいるんだと思います。

────この哀愁感って今でこそヴィジュアル系の一つのスタンダードではあるものの、これを真っ先に成立させたのがメリーなんだってことを思い出させられる1曲です。ただ、“想像した未来なんてどこにもなかった”と言い放つんですよね。ところがその後の「来来世世」では“来世まで手を繋いで一緒に行きませんか”と歌われています。

ガラ:これはファンに向けたメッセージですね。アルバムのテーマと同じで、いつか終わりが来るかもしれないけど、出会えた奇跡を大切にして、生まれ変わっても来世でまた会いたいねって思って書きました。

────楽曲もメッセージも裏切りのないポジティブなものなんですよね。その意外性に一番裏切られた気がするくらい真っ直ぐなメッセージです。

ガラ:最後、手を取り合ってまた楽しいところに一緒に行けたらいいよねっていう想いだけです。メリーを応援してくれてる人、どこかで離れちゃった人、もう聴いてない人もいるかもしれないですけど、これまで何かしらメリーの音楽に触れてくれた人たちに向けて書いてますね。1度でもメリーに触れてくれてありがとうっていう気持ちと、いつも俺はステージにいるし、これからどういう形になっても一生歌い続けるよっていう気持ちです。

────そんな決意表明の後がクロージングの表題曲「The Last Scene」。

ガラ:俺が一番投げかけたかったのは、この「The Last Scene」の最後の言葉ですね。これがこのアルバムで、自分の人生の終わりと向き合った時に一番言いたかったことだったんだって、完成してから気がつきました。

────明るさとバンドサウンドが生むカタルシスが共存しているけど、最後クライマックスは問いかけで終わるんですよね。その答えを聴いている人に委ねる衝撃的なエンディングです。

ガラ:今回最初に書いたのが「endroll」で、その次が「The Last Scene」だったんです。“生と死”、“終わり”がテーマだったから、暗く後ろ向きなところから歌詞を書き始めてるんですよ。

────「The Last Scene」もポジティブだけど、最後は問いかけで終わりますし能天気に未来を唱和しているわけでもないですよね。

ガラ:でも、それだけで終わらせたくないって気持ちがあったから、様々な色の世界を描いたんです。だから核となる「endroll」と「The Last Scene」の間に挟んでいるストーリーが大事で、もしかしたら人生の中の一番ライトが当たる部分…未来に向かっている道中なのかなって思います。このアルバムを通して、永遠なんてないってことを歌っているんだけど、伝えたいのは、じゃあ今を精一杯後悔なく生きてくれっていうことなんです。だから「The Last Scene」は最後に入れるしかなかった。この曲の景色を通して“あ、今日すげー良かったな!”とか“ここ最高だったな!”って幸せな瞬間を感じてほしい。“明日から頑張ろう”でもいいですし、みんなと俺たちでその最高の一瞬を一緒に観にいきたいなって思ってます。

────ガラさんは今作を通じて、ご自身にどんな“ラストシーン”を想像しました?

ガラ:そうだな……正直言うと、怖いっちゃ怖い。怖いと思う。だけど俺は何か物事を始めるのに早い遅いは無いと思うので、今からでも“自分の最後はこうでありたい”って方角に向かって、一歩ずつでも進んでいたいな。群馬の田舎で生まれてバンドに憧れて東京に出てきて、俺の人生なんかめちゃくちゃだったけど楽しかった!最高だったな!って終わりたいなって思います。歌ってきてよかったなって思いたい。

────そのためにこれからも続いていく。

ガラ:メリーは誰かが辞めることになったら解散するって初期に言ってたんですけど、結局メンバーが1人いなくなっても続いてるわけで。ここまで23年以上の年数を重ねて、メリーっていうバンドにいろいろな人の人生が詰まってるんですよね。それはもう自分たちだけじゃ辞められないですよ。だから、メンバーがいるんだったらどこまでも続いていくし、いつか終わる日が来るとしたら、ずっと応援してくれたファンが納得する形で終わりを見せてあげたい。終わりって本当に終わりなんで、今こそ、なりふり構わずこのバンドを続けていかなきゃいけないって思ってます。

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