【ΛrlequiΩ】ライヴレポート◆血の通いあう関係から生まれた「freind&fiend 2025」開催!
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血の通いあう関係からしか生まれない、濃厚で熱いシナジー効果を生み出す注目のライヴイベントが今年も実現した。オーガナイザーは昨今シーンの枠も飛び越えながら革新的な活動を繰り広げ続けているΛrlequiΩで、そんな彼らからの“リスペクトしあえる仲間たちと楽しい空間を生み出したい”という呼びかけに賛同したDOG inThePWO、ザアザア、RAZOR、えんそく、vistlip、BugLug、Royzというそうそうたる猛者たちが、このたび川崎CLUB CITTA' に大集結したのである。
題して[ΛrlequiΩ PRESENTS 「freind&fiend」2025]。このイベントタイトルは昨年の初開催時にΛrlequiΩのフロントマンである暁が意思を込めて冠したもので、freindが友だちの意であるのは当然としても、なんとfiendが意味するのは悪魔だというではないか。これだけ真逆のニュアンスを持った言葉を組み合わせのには明確な理由があったそうで、暁いわく「これはfreindからrespectのrが抜けちゃうと…っていうことなんですよ」とのこと。すなわち、この場に集まった全てのバンドは互いに深いリスペクトを持つ関係性にあると考えられる。
よって、今回のイベントでは各バンドのステージにΛrlequiΩの暁、奈緒、來堵、祥平がランダムでゲスト参加し、共に1曲をプレイするという場面が組み込まれていたのも特徴的な点で、そうしたところからも単なるタイバンイベントとは異なる“血の通いぶり”をひしひしと感じることが出来た。「freind&fiend」だからこそ遭遇出来る奇跡的なケミストリーというものを、今回の公演では幾つも観ることが叶ったのだ。
かくして、今宵のトッパーとして颯爽と登場したのは活動再開から1年が経ったDOG inThe PWO。紆余曲折を経ての今、以前にも増してバンドとしての結束力が高まっているのであろう彼らのパフォーマンスは終始ハイエナジーな空気感に満ちており、「ハルシオンキャンディ with 暁」でヴォーカリスト・春がみせた暁との丁々発止なやりとりも実にエキサイティングだった。と同時に、最後に聴かせてくれた新曲「DROPOUT」が5月からスタートし6月21日の恵比寿LIQUIDROOM公演でファイナルを迎えるワンマンツアー[STREET]への期待を高めるものでもあったことは言うまでもない。
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かと思うと、CLUB CITTA'の中に突如として暗澹たる雨の光景を生み出し始めたのはザアザアだ。彼らは昨年10周年を迎えたというだけあって、その貫録をステージングの随所で感じさせてくれたと言えるだろう。歌う人であるだけでなく詩人でもある一葵の描く歌詞はどれも病みがちで、痛々しく聴こえることも少なくないが、たとえば「どす黒い with 來堵」のように狂気をはらんだ感情が極まって暴発した末に、素晴らしきカタルシスを創出することも多々ある。なお、今回はギタリスト・春芽が共演者にして先輩でもあるえんそく・Joeから譲り受けたギターを使用していた点も実にエモかった◎
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その名の通り、これだけの強豪が揃った一夜においても鋭い切れ味と威圧的とも言える迫力で空間支配してみせたRAZORは、さすがの容赦ない攻めっぷりを披露して聴衆を惹きつけることに。今年の2月は[川崎雁字搦め]と題したシリーズワンマンを6本、さらにこの当日も含めた2本のイベントとあわせて8本ものライヴを川崎にて敢行することになったそうだが、もはや場所も状況も関係なくバチバチなスタンスで「DAMIAN FLY」を放ち、ラストは「埋葬 with 奈緒」でブチあげる剛腕さはさすがの一言。6月にフロントマン・猟牙の生誕祭として行われる東名阪ワンマンツアー[不惑の園]も今から期待大!
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驚きあり、笑いあり、感動あり。今年で20周年を迎え、現在は“えんそく最初で最後の47都道府県ワンマン企画”となる[いつか君の町にも~えんそくセイジンの儀~]を続行中の彼らは、冒頭から「とってもマッケンロー(リーダーがハンサム編)」として祥平をベーシストに据えての演奏をしれっと展開。本物のリーダー・ミド(Ba.)は2曲目からの登場とあいなり、弁の立つフロントマン・ぶうは冴え渡る語り口でことあるごとに場内の爆笑をかっさらっていったが、それでいて名曲「最後のえんそく」では小気味よい曲調にペーソス漂う歌詞がのる“えんそくちゃん”節が全開に。手練れ過ぎる怪演ここにあり。
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なにをもって正統派とするかは諸説あろうが、vistlipはヴィジュアル系バンドとしての矜持と良識を持った賢者たちであり、誠実にvistlipとしてのスタンスをここまで護り続けてきた集団であるように思えてならない。音楽的には良い意味で王道的な部分も大事にしながら、作品ごとにあらたなアプローチをみせてくれるところも重要なポイントで、今回のライヴでは「Mary Celeste」をはじめとした最新アルバム『THESEUS』からの楽曲を多めに聴かせてくれていた点に尊さを感じた次第だ。くわえて、アグレッシヴな「DANCE IN THE DARK with 暁」でのハジけっぷりもお見事。つくづく隙がない。
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今や恒例となった[バグサミ]の主宰バンドであるBugLugは、このたび招聘される側として場を目一杯に“かき回してくれた”のではなかろうか。Wベーシスト体制で臨んだ1曲目の「人造カオス with 祥平」から、ラストに奏でられた3月12日にリリースされる新曲「poru」まで、限られた時間の中ではあったものの一聖を筆頭に彼らの放つBugLugらしさは全編から十二分に伝わってきた。そして、気づけば彼らも今年は15周年。8月9日=バグの日に開催される日比谷野外大音楽堂での[15th ANNIVERSARY ONEMAN LIVE 「ASOVIVA~真夏の太陽と冴わたる月の詩~」]は当然必見だ。
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記念すべき夜のトリ前という佳境を任されていたRoyzは、ヴォーカリスト・昴によると「あのままだったらバンド自体が終わってた」というくらいの難局をコロナ禍に乗り越え、意識改革を果たし現在に至っているのだとか。昨年末開催の[Royz Presents COUNT DOWN LIVE 「GOD FES」]ではΛrlequiΩが加勢したのに対し、今回はRoyzが協力をしたことになるが、ここで聴けた「JOKER with 奈緒」は両者の絆に彩られていたと確信する。3月12日に発表される新音源『TRANSFORM』と、続くツアー[幻影都市から愛を込めて」-FORMⅠ]でも進化したRoyzの勇姿をご堪能あれ。
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さて。いざクローザーにしてオーガナイザーであるΛrlequiΩの登板となり、演説台のごときステージセットの上に陣取った暁が、この夜まず観衆たちに向けて投げた掛けたのは以下のような言葉だった。
「みなさん、本日はご来場いただきまして誠にありがとうございます。今回のイベントには「このバンドに出てもらえればきっと楽しいだろうな」という、信頼の名のワクワクをもって声をかけたわけですが。多分“アッチ”からも信じてもらえてるんだろうな、と僕は感じてます。まぁ、どうしても限りがあるよね、僕らの時間には。カラダもひとつだし。だから、みんなに今日この場所を選んでもらうというのも、そこには信頼という名のワクワクを持ってもらえてるからなんじゃないかと思ってるんです」(暁)
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確かに。14時半から始まり、時計を見やれば21時にもなろうかという相当な長丁場のイベントであったにも関わらず、この[ΛrlequiΩ PRESENTS 「freind&fiend」2025]においては飽きや中弛みの類いを感じることはまるでなく、幕間にはさまれていた出演後のアーティストとMC・山内秀一氏によるトークの時間まで全て込みで、あらゆる瞬間が見どころにして聴きどころだったと言えるはず。
また、ΛrlequiΩ自体のステージについても既存のキラーチューンだけでなく、リリース前の最新シングル曲「血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。」をここぞというところで力強く聴かせてくれたところにも、ライヴバンドとしてのただならぬ気概を感じることになり、曲が進むにつれてあたかもワンマンライヴを観ているかのような感覚に陥ってしまったほど。元来ΛrlequiΩは高い説得力を持つバンドだと言えるが、近年の彼らが持つその能力にはどこか尋常ならざるものを感じてしまうところさえある。
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「ただ楽しいだけで良かったんですけど、今日はそれ以上のものをこの場所に見つけてしまいました。そして、もっとこんな風になったらいいなということも想像してしまいました。それを実現することが出来た時には、また遊びに来てください。僕、約束するのはキライだったんです。どっちかは全体重をかけて約束してるのに、どっちかは凄い軽い気持ちで約束してたりとか。あぁ、不幸ってこういう風に生まれるんだろうなって思ってたんですよ。でも、そんなことよりも今日でこれを終わらせたくないなと思った気持ちの方が大きいので、今日は約束したいと思います。またいつか会いましょう!」(暁)
この言葉のあとには、一旦「ダメ人間」で場内に最高の修羅場を生成してみせたΛrlequiΩだが、それに引き続いての“おかわり”として当日の出演バンドから有志が参加してΛrlequiΩの「像」をセッションするアンコールも用意されており、そこではある種のカオスな状態が生み出されることになった。というのも、ザアザア・亞んがウォールオブデスの発生したフロアへ乱入したり、えんそく・ぶうがステージのフロントで“像”と化したり、ステージのそこここで誰かと誰かがワチャワチャしあったり、と目が幾つあっても足りないような様相が繰り広げられたのだから堪らない。ある意味、それはひとつの空間の中に友だちと悪魔が入り混じったような状況でもあったような…?![ΛrlequiΩ PRESENTS 「freind&fiend」2025]とはこれいかに。
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血の通いあう関係からしか生まれない、濃厚で熱いシナジー効果を生み出したこの大切な一夜を成功させたうえで、ΛrlequiΩが3月から挑んでゆくのは[ひとりにはなりない僕ら]と題されたツアーだ。各地でのワンマンとタイバンライヴを幾つも重ねていくことになる旅を経験することで、彼らはもっとたくさんの“血の通いあう関係”を築いていくに違いない。揺るぎない意思のこもった「血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。」から始まる、ΛrlequiΩのあらたな未来を刮目せよ!!
文章:杉江由紀
写真:川島彩水
RELEASE
2025.2.26 NEW SINGLE「血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。」 RELEASE!
【初回限定盤】¥2,860 tax in / ANMA-026A
デジトレイ+スリーブケース仕様+16Pブックレット付き
DISC1.(CD): 1. 血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。 / 2. 「」 IN THE SHELL / 3. 血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。 -instrumental-
DISC2.(DVD) : 「血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。」MUSIC CLIP + OFF SHOT
封入特典:ランダムトレーディングカード絵柄 2枚(全8種)
【通常盤】¥1,650 tax in / ANMA-026B
ジュエルケース仕様
DISC1.(CD) : 1. 血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。 / 2. 「」IN THE SHELL / 3. バール / 4. 血ヲ通ワセロ、ソノ命全テニ。 -instrumental-
LIVE
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ΛrlequiΩ LIVE TOUR「ひとりにはなれない僕ら」
3月1日(土)千葉LOOK
ONEMAN DAY
出演:ΛrlequiΩ
3月8日(土) 高田馬場CLUB PHASE
GUEST DAY
出演:ΛrlequiΩ / Guest : CHAQLA. / MAMA. / nurié
3月9日(日) 高田馬場CLUB PHASE
ONEMAN DAY
出演:ΛrlequiΩ
3月22日(土) 池袋EDGE
GUEST DAY
出演:ΛrlequiΩ / Guest : メリー
3月29日(土) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
GUEST DAY
出演:ΛrlequiΩ / Guest : Psycho le Cému
3月30日(日) HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
ONEMAN DAY
出演:ΛrlequiΩ
4月5日(土) F.A.D YOKOHAMA
GUEST DAY
出演:ΛrlequiΩ / Guest : 夕闇に誘いし漆黒の天使達
4月6日(日) F.A.D YOKOHAMA
ONEMAN DAY
出演:ΛrlequiΩ
4月12日(土) HEAVEN’S ROCK 宇都宮VJ-2
ONEMAN DAY
出演:ΛrlequiΩ
4月19日(土) 柏PALOOZA
GUEST DAY
出演:ΛrlequiΩ / Guest : NoGoD / DEXCORE
4月20日(日) 柏PALOOZA
ONEMAN DAY
出演:ΛrlequiΩ
4月29日(火祝) 水戸ライトハウス
ONEMAN DAY
出演:ΛrlequiΩ
5月3日(土) HEAVEN’S ROCK 熊谷VJ-1
GUEST DAY
出演:ΛrlequiΩ / Guest : BugLug / コドモドラゴン
5月4日(日) HEAVEN’S ROCK 熊谷VJ-1
ONEMAN DAY
出演:ΛrlequiΩ
▽詳細はこちら
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関連リンク
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