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【201号室】ライブレポート◆<201号室 Second ONEMAN LIVE『特異点』>2025年2月1日(土)池袋BlackHole◆“傷つき方を知りすぎてしまった”人々へ捧げる歪で純粋な“愛”の形

 201号室による二度目のワンマンライブ『特異点』が、2025年2月1日(土)に、池袋BlackHoleにて開催を迎えた。

 幕が開いた瞬間から新曲「インカントマーダー」が、精悍に凛々しく響き渡る。よりハイセンスでプリミティブな新しい“愛”の形を叩きつける様は『特異点』のために研鑽を重ねてきたバンドの新たなる熱情を示すように見受けられた。彼等が与える“愛”は常に地獄が隣り合わせで存在することを「デスコ」への流れで再認識していく。
 「俺の地獄で、お前達は俺の一番傍で踊っていてくれ!」とKEN(Vo.&Gt.)は儚くもアグレッシブな口振りで挑発。その言葉に応えるように会場は熱気に包まれていき、極彩の光と共鳴するこだまが一体感を創造する。
 人の脆さと心許なさが際立つ「アクター」で雰囲気が一変。そして、綺麗事で割り切れない複雑な生への渇望を顕にした「天上の果実」で再び場はヘッドバンキングの熱気で蒸し返した。


 そのまま、勢いよくミニアルバム「BAD ROMANCE」に収録されていた「祈り」を披露。髪をかきあげるKENの色香が、本当の願いを塗り潰し、幻想へ誘う危険な世界を表現する。
 また、コミカルな曲調で、自分の彼氏のような面をした男に対する憤怒と嫌悪と拒絶が爆発した「ダメンズパンチ」。己に好意を寄せる女達を誑かし、飽きたら捨てる虚ろな男の心境をムーディかつロマンチックに奏する「fetishism」と目まぐるしくセクションが変化していく。 

 「俺ってさ、多分⚫︎⚫︎奴だけど、⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎⚫︎い奴で、極端に性格の悪いところは悪いし、色々傷つけながらやってきたんですよ。そんな俺が一番迷惑かけてるのは後ろの三人で、だからそのメンバーへ、去年ラブソング書いたんで聴いてください」

 と、KENはエッジの効いたサウンドに乗せて「小鳥ノヤウニ幸セデス」を披露。“愛”だけでは埋めれらない寂寥と四人の確固たる絆の囀りに胸の高鳴りが止まらない。ハードなメロディで心も体も揺れ動く「破滅のポエム」ではシンナ(Ba.)がお立ち台に上がり、氷のようにクールで炎のように心が燃えるパフォーマンスで場を牽引した。


 Ryuta(Dr.)の巧みなドラムソロで観客を惹きつけていく。ヘビーなビートの間には、軽やかな遊び心がある音も挟んでおり、確かな聴き応えがある。KENのシャウトとともにボルテージが昂った状態で始まる「Fake」。メンバー同士でアイコンタクトを取るシーンがいくつも見られ、全員心の底から楽しそうな表情を浮かべている場面では、観客の顔も一緒に綻んでいく。お互いに心が重なり合うコールアンドレスポンスを巻き起こす「イエローハート」で無限大の愛の可能性を明らかにした。

 
 「世界が成長して、今こんなちっちゃい画面のひとつでなんでも出来る時代になってからは、みんな傷つき方を詳しく知り過ぎたんだよ。」

 そんな傷をつける必要の無かった人々の過去を“勇気ある行動”と称え、激励を込めた「勇気ある事象」を披露。“人としての生を歩む”という何よりも嶮しい路で立ち止まる人の隣に座り、背中を優しくさするような優しさが詰まった楽曲を捧げた。「Lovelet」は低音かつ力強く唱することによって、“愛”を知りたくなかった女の後悔と悲壮感が伝わっていく。


 「愛されてる錯覚に溺れろ!」と呪詛を轟かせる「最悪」では、“愛”に憧憬を抱いていた子供が、惡い異性から喰い物にされ、全てを奪われたことを示唆するように、舞台が猩々緋に染まり、“最高”の熱狂に満ち溢れていた。
 荒廃した闇黒の“愛”へ拐かし、さらなる激しい衝撃を見せつけた「BlackMagic」。逃れることは許されない地獄で踊り尽くす「デスコⅡ」では、Hiroto(Gt.)のエネルギッシュなギターソロによって、より世界への残酷さに拍車をかけ、大いに沸き上がった。

 「武器はたくさんいらない、一個でいいんだ。」と吐き捨てるように最後のセリフを放ち「刃渡り30mm」を披露した。物騒で切れ味は抜群だが、根底には“愛”を貫きたいドラマチックな展開が眩い悲哀を醸し出しており、観客も固唾を呑んで静聴していた。

まさにラストに相応しい選曲である。


 201号室は人には話すことさえ、憚られるような人間の“愛”の在り方を全身全霊で肯定してくれるようなバンドだ。 
 “愛”という概念は綺麗な存在ではない。心が繊細で弱かったり、人よりも劣って駄目だったり、打算でしか動けなかったり、ただ不幸ぶっていたかったり、自由に身動きが取れない人達もいる。決して普通とは言い難い恋愛模様や心情描写と真摯に向き合って進んでいるのだ。
 
 人は“愛”が無ければ生きていけない。たとえどんなに歪な形をしていても、それでも“愛”であることには変わりない。

 これからの予定もたくさん公開され、話題も楽曲もますます増えていくだろう。夢は輝いて見えるからこそ、挫折も絶望も必ず立ち塞がる。だからこそ、『特異点』から抜け出すために、傷だらけになりながらも己の手で光を抱きしめにいくのだ。


TEXT:成田佳清

SET LIST

『特異点』SET LIST
1.インカントマーダー
2.デスコ
3.アクター
4.天上の果実
5.祈り
6.ダメンズパンチ
7.Fetishizm
8.半端に噛まないで
9.小鳥ノヤウニ幸セデス
10.破滅のポエム
11.Fake
12.イエローハート
13.勇気ある事象
14.Lovelet
15.最悪
16.BlackMagic
17.デスコII
18.刃渡り30mm

EN1.インカントマーダー

LIVE

□3rd ONEMAN LIVE『天上の果実』
【日程】2025年05月16日(金)
【会場】渋谷REX

【開場/開演】18:30 / 19:00

【前売/当日】
⚫︎Sチケット:10,000円
[特典内容]
・限定5/16 ライブ映像DVD
・限定MV視聴用QRコード
・限定ブックレット
・「天上の果実」モチーフラバーバンド
2月14日(金)御茶ノ水KAKADOより
物販スペースにて手売り販売開始。
⚫︎Aチケット:3,000円
2月22日(土) e+より一般販売開始。
⚫︎当日無料
【ドリンク代】別途



◾️201号室主催『スペシャルデスコ2』
【日程】2025年12月01日(月)
【会場】Veats Shibuya
※詳細は後日解禁

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