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【DAVID】ライヴレポート<2nd FULL ALBUM発売記念ONEMAN 「Made in Gothic -Janusの肖像-」>◆4月9日(水)SHIBUYA DIVE◆狂い咲くことほど美しい熱狂はない。DAVIDが最新作を手に描いた 「双面神Janus(ヤヌス)」の物語。

 DAVIDが、新章の幕開け/新たな物語を綴った2ndフルアルバム『Made in Gothic』を4月23日に流布する。同作品に描きあげた題材が「双面神Janus(ヤヌス)」。その物語や世界観をライブで再現すべく、DAVIDはSHIBUYA DIVEで『DAVID 2nd FULL ALBUM発売記念ONEMAN「Made in Gothic-Janusの肖像-」を催した。この日は、会場でアルバム『Made in Gothic』の先行販売も実施。Vo.SUIを筆頭に、同作品の世界観を具現化したJoint Artistが、Gt.HIDE-ZOU(D)・Gt.erina・Ba.Яyu(Azavana)・Dr. SHOの4人。ここへ、当日の模様をお伝えしたい。

 鬱蒼とした、でも、どこかもの悲しい調べが場内中に広がりだす。その音色は次第に躍動し、これから幕開ける物語へ期待を馳せる観客たちに不思議な高揚を与えていた。次第に激しくなるその音楽が、気持ちを熱く騒がせる。流れだしたのが、もの悲しくも美しい調べ。その音に合わせてゆっくりと幕が上がるや、そこには物語を綴るJoint Artist(以下、メンバー)たちの姿があった。その音へ誘われるように、SUIがゆっくりとステージに姿を現した。
荘厳な演奏の上で、語り部となった SUIが、最新アルバムでも冒頭を飾った『Made in Gothic』を歌い語りだす。最初は想いを押さえながら。でも、次第に気持ちを解き放つSUIの感情の変化に合わせ、その歌声と演奏はエモーショナルな香りを放ちながら心地好く胸に響いてきた。次第に力強さを増す歌声と演奏の魔力によって、フロア中の人たちは早くも心を奪われていた。巧みに緩急を付けた表情を描きながら、SUIは観客たちの視線を己の身体へ釘付けにしていった。
 SUIが手拍子を打ち鳴らし、「飛べ」と叫ぶ言葉を合図に、観客たちが一斉に飛び跳ねた。重厚かつ攻撃的な姿勢と演奏を持ってDAVIDは、神の声を刻んだ『Harness』をこの世へ解き放てば、観客たちの理性も、同じように解き放つ。Joint Artistとして新たにHIDE-ZOU(D)を迎えいれ、erinaとのツインギターにったことで、より闇を彩る攻撃的な表情が豊かに。ベースにЯyu(Azavana)という若手メンバーの血を取り入れたことで、SHOとのリズム隊の演奏にも深みと唸るグルーヴが増してきた。SUIの煽りと、メンバーらの荒れ狂う演奏に合わせて拳を振り上げ、声を荒らげる観客たち。早くも、この場に狂熱の宴が生まれていた。「神の声は届いているか」と歌い叫ぶSUI。その声はしっかりと胸を熱く揺さぶっていた。
 『Savant』では、SUIが床に膝を落とし、激しく頭を揺さぶりだす。身体を直撃する豪圧な演奏に触発され、フロア中にたくさんの拳が突き上がる。その様を見て、さらに激しく、雄々しく、心の牙を剥き出しに、SUIとメンバーたちは魔獣のような姿で歌と演奏を突きつけ、この地を、頭を振り乱し、声を荒らげる興奮と恍惚の宴の場に染め上げていった。

 最初から感情のストッパーを外し、観客たちを煽るSUI。その姿に刺激を受け、観客たちも声を荒らげ続ける。ここでDAVIDが、8周年を迎えたことと最新アルバムが完成したことを報告。DAVIDが育み続けてきた"Gothic"という世界と文化。SUIは語っていた、「頽廃とは美しくも素晴らしいもの」だと。さらに、「みずからの好きを貫き通す意志こそが耽美だ」とも彼は伝えていた。

共に運命を分かち合うようにDAVIDが届けたのが、『Tarot』。スケール大きな、壮大かつ苛烈なドラマを描きだすゴシックシンフォニアな幕開けだ。その後に続いた三拍子のリズムに乗せ、切々と。ときに朗々と、運命の物語を綴るようにSUIが歌っていた。次々と転調しながら、楽曲は狂熱のワルツをこの場に描きだす。DAVIDと共に、運命の糸にその身を絡め、踊り、華やげばいい。ステージの上で軽やかに踊りながら歌うSUIと、そのステップを重ね合わせ、共に心を揺らし続けようか‥。
 荒ぶるSHOのドラムと胸を痛く突き刺すerinaのギターの音を合図に、『Crow』が羽ばたいた。重く攻撃的な演奏の上で、SUIは雄大に、朗々と歌いあげる。彼の歌声が導くままに、心の奥に仕舞い込んでいた黒い翼を広げ、狂喜を導く演奏を力に羽ばたけばいい。「羽根が生えたなら それが黒い翼でも」と高く手を掲げて歌うSUIは、ステージの上で確かに羽ばたいていた。飛び立つ先は、果たして何処なのか‥。
今にも壊れそうな美しくも儚いピアノの音色が場内中に流れだす。DAVIDは、耽美さを抱いた『羽化と理想』の演奏と、ねっとり絡みつく妖艶な声を魅力に、「誰かを求めていた」と歌いながら観客たちの心をギュッと抱きしめていた。美しきその音色へかしずくように、フロア中の人たちが掲げた手を大きく揺らし、しばし、惑いの時に溺れていた。

 物語の章をめくるように流れだした幽玄麗美なSE。そして‥。変拍子を叩き出すドラムの音色に乗せ、触れた人たちの心を惑わすように『Mage』が流れだす。一瞬して頽廃した異世界へと誘い、彷徨わせるような歌と音楽だ。この物語は、観客たちを何処へ連れ出すのか。嘆くように、うめくように歌うSUIの声と演奏へ誘われるまま、今はただ、胸に痛みを覚えながら心地好く堕ちていたい。乱れ、揺れ動くSUIの心のままに、この物語はドラマチックに進んでゆく。
 何時しか、ステージの上にはSUIだけがたたずんでいた。ダークファンタジーかつオカルト色を携えたデスシンフォニックな演奏が響き渡る。SUIは「わたしが、求めていた」と 『Contract』の演奏に乗せ、これまで以上に様々な黒い感情を剥き出し、観客たちを求めていた。ときに朗々と歌いながら。ときにはグロウルを交えた声で観客たちを激しく煽る。孤高の支配者と化したSUIの姿へ、大勢の人たちが思いを捧げてゆく…。

 SUIの呼びかけを合図に、ふたたびメンバーがステージへ。壮麗さと豪快かつ重厚な音を交錯しながらDAVIDが描きだしたのが、アルバムの為に書き下ろされた新曲『Noble Hymn』。身体を前屈しながら煽るSUI。その姿に食らいつく観客たち。雄大な音絵巻を声の筆で描くように、SUIは朗々と歌いあげていた。彼は、曲が表情を変えるごと、みずからの感情のスイッチも次々と切り換え、楽曲に相応しい光景を描きだす。途中、SUIと観客たちが声と拳を交わす様も誕生。エモーショナルな歌に心地好く酔いながら、変幻し、攻撃を仕掛ける楽曲にあわせ、SUIと観客たちが感情を露にぶつけあっていた。

DAVID流のエレクトロでダンサブルなゴシックナンバー『Gothculture -Decadent Art-』が飛びだした。牙を剥き出しに観客たちを煽るSUI。この曲でも彼は、激烈さと妖艶かつ耽美メロウな表情を巧みに交錯しながら、観客たちの感情を徹底して乱れ狂わせる。SUIの歌声やメンバーらの音へ導かれるまま、本能に突き動かされるままに、毒めいた世界の中で乱れ狂っていたい。その衝撃で、感情のすべてを焼き尽くしてほしい。
 「火を灯せ」。身体を激しく切り刻む『Aestheticism』に乗せ、SUIが狂ったように頭を振り乱す。もちろんフロアでも、髪の毛を振り乱し、高く手を掲げて飛び跳ねる人たちの姿でフロアが染まっていた。心の嘆きを歌声に乗せて露にしながらも、演奏自体が重低音の弾を連射してゆくだけに、乱れ狂わずにいれない。終盤、SUIは観客たちを螺子の壊れた人形のように操っていた。
 『Ruinous』でDAVIDは、さらに激しさと攻撃力のギアを上げてきた。ときに頭を振り乱し歌えば、手を大きく広げ、観客たちをその懐へ包むような様も見せてゆく。今はただ、DAVIDの描きだすカオスな世界の中、狂うことこそ甘美だと言わんばかりに操られていたい。一斉に身体を折り畳み、暴れ狂う観客たちの様は、異様なほど熱かった。

 ふたたび、新たな章を綴るように流れだした、悲哀を抱いた切々とした音色。そこへダークでゴシックな音をDAVIDは思いきり塗り重ねだす。黒く重く躍動する『Gothculture -Claustrophobia-』を通してDAVIDが示した、耽美でカオスなゴシックスタイル。美しさと荒廃、妖艶さと剥きだした狂気、耽美と破壊衝動など、美しくも頽廃した世界を、SUIは目の前に具現化してゆく。バスドラムに片足を乗せて歌いあげる姿も高貴で美しい。感情は熱く火照るのに、でも今は、その歌声へ溶けるように酔いしれていたい。
続く『蠱惑』も、DAVIDらしいゴシックでメロウな香りを携えた楽曲だ。言葉の一つ一つを朗々と歌うSUIの姿に、素直にひれ伏したい。一音一打を叩きつける演奏に身も心も預け、漆黒の感情のままに揺らめいていたい。「その声を聞かせて」と甘く歌いあげるSUIの歌声が、40度以上のアルコールを一気に身体へ落とし込んだように、激しく心を酩酊させる。荒れ狂う音を突きつけられ、本能が騒ぐままに手を振り上げ、頭を激しく揺さぶっていたい。「愛して、壊して」「その声で殺して」と哀願するように歌うSUIの声が心を掻き乱し、狂おしい様に染め上げていた。後半には,止まない激しい折り畳みの応酬も誕生。今にもフロアへ飛び込まんばかりの姿でSUIが声を奮い立てて煽れば,観客たちもずっと暴れ狂っていた。そう,狂い咲くことほど美しい熱狂はない。

 流れだしたマーチングなビート。DAVIDが最後に突きつけたのが、気持ちを高揚へと導く、高貴で激しくシンフォニックかつゴシック浪漫な『Final Act』。身体を激しく突き刺す演奏の上で、SUIが朗々と。でも、心を揺さぶる甘美な歌を響かせていた。魂を勇ましく揺らす楽曲だ。身体はマーチングな演奏に合わせて踊りながらも、心は甘美な歌を強く求めずにいれない。だから、フロア中の人たちが声を荒らげ、この曲でも狂い咲いていた。

アンコールの声に呼ばれ、ふたたびSUIがステージへ登場。SUI は、DAVIDとしての8年の歩みを振り返っていた。「続けることは難しいが、少しずつでも自分の糧となり、誇れるものになった」の言葉が身に染みた。

アンコールは、希望を未来へ繋ぐ歌として『Inheritor』を歌い奏でて始まった。ふたたび語り部となったSUIが、言葉のひと言ひと言に強い願いと思いを込め、「見えるなら」と、その先へ響くように歌っていた。彼が発する一つ一つの言霊をしっかりと胸の内に抱きしめたい。その言葉と演奏を共に携え、この歌を、未来を照らす灯火にしたい。スタンドに付けたマイクを両の手でギュッと握りしめ、思いを響かせるSUIの姿は、鈍い煌きを放っていた。
 「このひとときとき、親愛なる民とすべてのみなと、闇の世界へ。喝采だ!!」、その声を合図に、ベースの音が唸り上げて攻めだした。煽るSUI。『Dresscode』が始まったとたん、フロア中から絶叫にも似た荒ぶる声と拳が振り上がる。SUIは六芒星を記した台の上に座り、「あなたが望むのなら」と。そして、フロアの最前まで踊り出て「選ばれしあなたなら」と歌い、観客たちを乱れ狂わせていた。「あなたが望むなら闇を見せてあげる」とSUIは歌いながらも、すべての苦悩や葛藤をこの曲を通して闇へと葬り去り、気高き存在へと観客たちを染め上げていった。
最後にDAVIDは、『Blood -Reason for existence-』を演奏。その身に滾る血潮を激しく沸かせるように、進撃する攻撃的な音を背負いながら、SUIは、この場にいる人たちの滾る感情と血を沸騰させ、DAVID流のゴシカルな世界へと飲み込み、甘美な熱狂という思いに浸らせていった。今まで以上に振り上げる拳や折り畳む姿に生きた命を覚える。SUIと共に声を荒らげ、壊れる勢いで身体を折り畳めばいい。それこそがDAVIDの授けた、本当のあなたの姿。鏡に映しだされた真実のJanus(ヤヌス=自分)なのだから。

PHOTO: Lestat C&M Project
TEXT:長澤智典

SET LIST

セットリスト
SE
『Made in Gothic』
『Harness』
『Savant』
MC
『Tarot』
『Crow』
『羽化と理想』
SE
『Mage』
『Contract』
MC
『Noble Hymn』
『Gothculture -Decadent Art-』
『Aestheticism』
『Ruinous』
SE
『Gothculture -Claustrophobia-』
『蠱惑』
SE
『Final Act』
SE
MC
『Inheritor』
『Dresscode』
『Blood -Reason for existence-』
SE

LIVE

【DAVID情報解禁】
8年間の全曲を網羅するワンマンシリーズが決定!
2度目となるホール8周年公演が決定!





DAVID 2nd FULL ALBUM「Made in Gothic -Janusの肖像-」情報



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