【hévn】ライヴレポート◆注目の5バンドが集結!個性と愛がぶつかり合った「ヘヴンのお祭り★天まで飛ぼう‼︎~裏七夕祭り編~」を完全レポート!
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ヴィジュアルロックマガジン「hévn」主催のライヴイベント「ヘヴンのお祭り★天まで飛ぼう‼︎」が、7月8日に池袋EDGEにて開催された。七夕の翌日の開催ということから“~裏七夕祭り編~”と題して行われた今回の出演者は、新進気鋭なCHAQLA.と201号室をはじめ、実力派として着実に名を広めているヤミテラやRorschach.inc、さらに昨年末メジャー・デビューを果たしヴィジュアル系シーンに明るい話題をもたらしたビバラッシュの計5バンド。「hévn」が注目するバンドが集結し、大盛況となったイベントの模様をレポートする。
【201号室】
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板付きで登場するやいなや、『Lovelet』を奏でる音が鳴り出したとたんに場内の空気が変わった。そんな強いニュアンスで言い表すのが相応しいほどの201号室たらしめるロックサウンドから感じる正統派な姿勢は、この日初お披露目となったスーツスタイルの衣装にもベストマッチしている。
KEN(Guitar & Vocal)が「201号室です、よろしくお願いします」と丁寧に挨拶したのも束の間、『Fake』『破滅のポエム』と立て続けに観客を食ってかかる勢いに輪をかけて、KENがフライングVを下げて「俺に温度を伝えてください」と乞いつつ容赦なく畳みかけた『最悪』が実に痛快だった。
そして、「hévn、今日はありがとう。1年間作ってきた曲の中でどの曲が上とかないけど、この曲が一番自信があります」と、KENが再びギターを持ち換えてラストに届けた初披露の新曲『刃渡り30mm』。“自信”という言葉をありのままに映し出すようなソリッドなロックサウンドが、201号室の存在を強く印象付けていった。
彼らの最大の武器は、音楽性の高さにあることは間違いないだろう。ただしその真髄は、このライヴに楽曲と衣装と2つの初披露を詰め込み、言葉よりも誠実かつ攻めの姿勢で音楽を届ける姿からも感じられた不屈の精神にあるとみた。これは、hévnに向けての愛であり、後に控えるライバル達への好意的な宣戦布告だったのかもしれない。彼らの熱い心は、人の心をも動かす。8月23日には1stワンマン [灰色の夢] を池袋EDGEにて控えているため、201号室を見つけたアナタには是非足を運んでいただきたい。
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【Rorschach.inc】
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「天まで飛ぼう、ヨロシイか!?」と、もはやロールシャッハ1号(vocal & scream)が確立してきた専売特許とも言える「ヨロシイか!? / ヨロシイ!」のコール・アンド・レスポンスからスタートしたRorschach.inc。
『GHOST』からえげつないまでのヘヴィネスサウンドを繰り出し、足元から伝わる振動がその威力の大きさを表していた。なおかつサークルモッシュを起こすと、心得ている者は嬉々として駆け回っているが、正直なところ観客の半分強は若干引き気味の様子。しかしその“異質ぶり”こそ、Rorschach.incの魅力なのだと理解するのに時間を要することはなかった。
「ありがと、最高、天にまで昇りそう」と1号が悦に浸った『KEMURI』の白熱ぶりや、彼らが“地底に住む謎のウサギ人型バンド”であることを彷彿とさせた『USAGI』。さらに攻撃的なアンチテーゼとして『ANTI』かまし、『Villan』や『オクリオオカミ』で重厚なサウンドに合わせて貪り合うように観客と距離を縮めていった結果、最終的には中毒性のある彼らの空気感に会場がすっかり飲まれていたように思う。
途中、『ANTI』の振り付けレクチャーに振り切るために1号が「つまらない」と放棄した告知を代わりにさせていただくと、8月に1号の出身地・秋田にて生誕ワンマン&ファン旅行が決定している。10月にはハロウィンワンマンも決定しており、今後の動向にも注目したいところだ。
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【ヤミテラ】
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バンドにとって“今”が最強とはよく言うが、この日ヤミテラが自身の最新作から『FLOW BACK』をオープニングナンバーにチョイスし、ダイナミックに幕を開けた部分にそれを十分に感じることができた。RiNa(Vocal)の「楽しんでいきましょう。天までぶっ飛ぼうぜ、いいか!」という気概をこめた叫びを合図にハングリー精神をぶつけた『BLACK OUT』。続いた『夕闇』では、そこはかとない和のテイストとハードなサウンドを掛け合わせたヤミテラの根底にある表情もしっかりと提示していく。
演奏中の硬派な印象とは裏腹に、RiNaお得意のギャンブルの話題を交えて笑いを起こすMCを通して、「ぶっ飛べるのは(RiNa自身が前日に散財したという)パチンコ屋!サウナ!あと、ライヴハウス!」とフロアを盛り上げ、『前線敬礼歌』『イキタガリ』で惜しみなく一体感を生みだした。ラストは、「あなたたちがライヴハウスに来てくれるから俺たちは戦える!」と士気を高めて『くだらね世界』をエモーショナルに届けていった。
ヤミテラは、目標を設定しては1つずつ成果をあげ、ステップアップしてきたバンドだ。その所以は挑戦し続ける志を絶やさないことはもちろん、ロックバンドとして確かな実力を肌身で感じられるライヴがあってこそ。8月6日に渋谷CLUB QUATTRO にて行われる7周年記念公演を皮切りに回る、SUMMER TOUR [HYPERヤミテラッシュ] にも大いに期待したい。
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【CHAQLA.】
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「ハレルヤ・コーラス」をアレンジした登場SE「開放」に乗せて、アバンギャルドにステージに表れたメンバーを見た瞬間に悟った。ああ、これが“メサイア”となり得るCHAQLA.というバンドなのだと。『愛』を通して独自の切り口で愛情表現をブチかますと、『POISON』でも最高にファンキーさを増し、序盤から容赦なく音の洪水と叫びあげるような熱い歌を届けていく。
「元気いっぱい、CHAQLA.!」……ANNIE A(Vocal&教祖)よ、先ほどまでの迫力はどこにいった!?と目を丸くしたMCの入りは大トリに控えているビバラッシュのテンション感に対抗してのことだったのだが、続けてマイクをとったBikky(Dr)の話題もまたぶっ飛んでいた。ブラックパール号(※アメ車の機材車)で古着を買いに行ったところ職務質問に合い、鍵につけていたメリケンサックが原因で事情聴取までされたとのこと。「そのときに頭に浮かんだ曲」と巧みに繋いだ『極上なLOSER』では、警察官へ「ロックスターになる」と熱く語ったというBikkyのビートが牽引して力強さを放ち、続けて夏に準えて『太陽の悪魔』、幸せになるよう想いを込めた『リーインカーネーション』を畳みかけた。「天まで飛ぼうぜ! hévn編集長に愛を込めて。ヴィジュアル系に愛を込めて」とラストに用意したのは『PLAY BACK‼︎』。“本当に言いたいこと”を追求しながら、まさしく自己の解放を目指したクライマックスだった。
CHAQLA.は、1st ONEMAN TOUR -第六感呪物回収TOUR2024-のツアーファイナルを迎えたのちに、8月17日には東京キネマ倶楽部にてワンマンライヴ [もやい] を開催する。そして最後にBikkyよりご忠告、「皆さん、メリケンサックは持ち歩かないように」。
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【ビバラッシュ】
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「ついにやってきたぜ、ビバラッシュの番だ!アゲアゲでぶっかましていけますかー!?」とるいまる(Vo)がエネルギッシュに挨拶し、イベントの大トリを務めたアゲみ集団・ビバラッシュ。ステージへ飛び出てきた瞬間から、テンションのゲージはマックスを振り切っていた。
1曲目は、“らしさ”を大胆不敵に詰め込んだメジャー・デビューシングル『有頂天ラリアット』で楽しさの衝撃をクリティカルヒットさせると、間髪入れずにアニメ「多数欠」のオープニングテーマとなっている『エンペラータイム』を披露。立て続けに彼らの挑戦と進化の結晶ともいえる2曲を並べ、バンドサウンドをしっかり据えたデジタルロックとエンターテイメント性との天才的融合による強みを見せつけた。
そして、「お前の人生、お前が踊れ!」と明確なメッセージを持ちながらSNSでバズりまくった振り付けで一体となる情景が圧巻だった『踊らされた人生』や、バンギャルの生きがいでもある“ライヴ”をフィーチャーした『それゆけ!バンギャルちゃん』でも、オーディエンスの楽しいを引き出すポテンシャルを存分に発揮。
ひとたびMCに突入すると、「話が長いから」と観客をその場に座らせてひとしきり爆笑トークを繰り広げると、その場から立ち上がらせるマジックとしてチャリに乗る(振り付けをする)『ナチュラルバイセコー』を挟み、「天国まで連れてってやるよ!」と見事『闇カワ#アゲみゾーン』でスパーク! 最後に、大トリ抜擢への感謝を伝えつつ「これからもヴィジュアル系を盛り上げるイベントにどんどん参加していきたい!」とメッセージを残していった。現在、SUMMER ONEMAN TOUR 2024 [EMPEROR×JUDGEMENT] がスタートした彼らは、これからも独自の“アゲ”なテリトリーを築いていくことだろう。
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この日、入り口に飾られていた笹飾りには出演者が願い事を書いた短冊が下げられていた。そこに純粋な願い事はもちろん、バンド活動に対する熱意を感じられるものもあった。イベントを開催する根源にあるものは、“ヴィジュアル系に対する愛”。主催者をはじめバンドやアーティストに至るまで、ヴィジュアル系というシーン、ひいては音楽というものを愛する者のエネルギーというのは計り知れないということを改めて感じることができた温かい一夜でもあった。
Text:平井綾子
Photo:Lestat C&M Project
SET LIST
・201号室
@room201_info
1. Lovelet / 2. Fake / 3. 破滅のポエム / 4. 最悪 / 5. 刃渡り30mm
・Rorschach.inc
@Rorschachinc
1. GHOST / 2. KEMURI / 3. USAGI / 4. ANTI / 5. Villan / 6. オクリオオカミ
・ヤミテラ
@yamitera_
1.FLOW BACK / 2.BLACK OUT / 3.夕闇 / 4.前線敬礼歌 / 5.イキタガリ / 6.くだらね世界
・CHAQLA.
@CHAQLA_offi
1. 愛 / 2. POISON / 3. 極上なLOSER / 4. 太陽の悪魔 / 5. リーインカーネーション / 6. PLAY BACK!!
・ビバラッシュ
@vivar_official
1. 有頂天ラリアット / 2. エンペラータイム / 3. 踊らされた人生 / 4. それゆけ!バンギャルちゃん / 5. 闇カワ#アゲみゾーン
関連リンク
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