★スペシャル対談★CHAQLA./MAMA./nuriéの「漢上げ」、忘年会仕様の12月20日は201号室、sugar、洗脳Tokyo、SECRET BANDも参戦!前哨戦真夜中13000字対談敢行!
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今年3月にCHAQLA./MAMA./nuriéの3バンドによる合同対バン企画として始動した「漢上げ」。志を共にする新世代の盟友同士のムーヴメントは少なくない潮流を呼び込み、結果いずれのバンドにとっても躍進のきっかけとなった。
その動機の一つに終演後の観客に“どのバンドが一番素晴らしかったか?”を問う「出口動員」システムがあったことも忘れてはならない。
強い思想と自由な発想のもの展開してきた漢上げは年の瀬に差し迫る12月20日、渋谷DIVEにて<漢上げpresents『漢の大忘年会』>として再び開催されることとなった。
今回は201号室/洗脳Tokyo /sugar/ SECRET BANDを加えての合計7バンドとなった。
珍妙すぎる経緯と揺るがぬ信念のアンバランスでアンリミテッドな展開をSECRET BANDを除く各バンドの代表者6名に語ってもらった。
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前半はCHAQLA. Bikky(Dr)、MAMA. 真(Ba)、nurié 染谷悠太の3人。
途中から201号室 KEN(Gt&Vo)、sugar けんたろう(Gt)、洗脳Tokyo 顚仙(Vo&Gt)が参加する変則スタイルでお届けする。
漢上げの日は会話はしてるんだけどそんなに続かない
────まずはCHAQLA./MAMA./nuriéのメンバーさんに“漢上げ”とは何かを伺いたいんですが…誰も時間通りに集まりませんね。
染谷:僕だけでしたね時間通りに来たの(笑)。ちょっと電話しますね。
真:すいません、遅れました。
染谷:あ、Bikky繋がりました。1時間勘違いしてたっぽいです。
真:他のバンドの人たちも怖くない?時間通りに来なさそう。
染谷:たしかに。
────今、夜中24時前ですからね。ではまずはnurié染谷悠太さんとMAMA.真さんに今年春に立ち上がった漢上げについて伺いたいと思います。
真:えっとですね、去年の夏にうちが主催したライヴが渋谷近未来会館であったんですよ。
────2DAYSの「復讐-EXTRA-」ですね。
真:そう。その2DAYS終わりの打ち上げで路上でベロベロになってカップ麺とか回し食いしてたんです(笑)。そこでnuriéとMAMA.…っていうより龍太朗(nurié 大角龍太朗)とうちの命依が初めてちゃんと話をして意気投合したんですよ。そこにはCHAQLA.もいて。アニィ(CHAQLA. ANNIE A)さんと熱い話になって、誰からともなく“この3バンドで一緒にやろうよ”ってなりました。僕らの公園飲みの始まりの日です。
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▲MAMA. 真
染谷:僕はその場にいなかったんですけどね(笑)。
真:そうだ。いたのは龍太朗と銀(nurié サポート永山銀)さんだ。
染谷:なんか知らんところで3マンが決まってました。
Bikky:すいませーん。遅れました。“漢上げツアー”が決まった経緯の話ですか?
真:(Zoomの)画面でけぇな(笑)。
Bikky:どうすればいいの?えっと、“漢上げツアー”が決まった経緯は…、経緯なんてありません。記憶にございません。
染谷:(笑)。僕としては基本的に大角が一緒にやりたいっていうバンドはカッコイイと思ってるんで全く問題なかったんですけど、意外っちゃ意外だったんですよね。それこそMAMA.のライヴを観た直後のことだったんで、音楽性的に僕らと混じり合うかなって。ただヴァイヴス的に通じるものがあったんだと思います(笑)。
────お酒の勢いと感性もきっかけにはありつつも、今年の3月にはこの3バンドで2マンと3マンを短期間で連発する漢上げが始まったと。東京と大阪で開催され、お客さんにどのバンドが刺さったか忖度なく選んでもらう“出口動員システム”もあり、結果的にシーンの中でも注目を集めるイベントになりましたね。
染谷:これはいろいろなところで言ってるんですけど、nuriéは悔しい思いをしてきたイベントです。手応えのあるライヴをしているのに出口動員では負けてしまって、他の2バンドにあって自分たちにはないものってなんだろうって苦しみましたね。でも、今にして思うとMAMA.とCHAQLA.が何を考えながら活動してるかを深く知れる時間だったのでかなり貴重な経験だったなと思ってます。
Bikky:いろいろバレてるってこと~?
染谷:見てて気がつくことは正直多かったよ。でも、その2バンドができることをnuriéができるかっていったらそうではないこともあって、ならその中で俺らはどうすんねんっていう考え方に転じられるきっかけになりました。
Bikky:超楽しかったですね。本当は良くないことだけど、対バン相手によってライヴに挑む気持ちって変わっちゃうじゃないですか?MAMA.とnuriéはトガってくるから、楽しいんですよ。それなのにシンプルにめっちゃ仲が良いしね。
────Bikkyさん的には仲がいいバンドの方が倒してやるぞって気持ちになります?
Bikky:うん、なります。相手のトガリレベルが高い方が楽しいです。
真:トガリレベルって。
Bikky:仲良いバンドがそうやってトガってるの非常に楽しいですよ。
────「類は友を呼ぶ」な気もします。ライヴの良さを数値で可視化する残酷な“出口動員”の発案はCHAQLA.ですか?
Bikky:M-1を見ててあの勝負の感じがすごくいいなって思ったんです。バンドは全然そういうのないじゃないですか。良いライヴしたかそうじゃないかしか判断基準がなかったからもっと勝負っぽくした方がウキウキするよねって。CHAQLA.は今年そういうライヴが多くて、それこそ<COMING KOBE24>やドイツ行きを賭けた<エマージェンザ・ジャパン2024>みたいに勝敗がつくものを求めてたんですよ。漢上げにもそういうアツさがほしいなって話をしてたら、のあかが出口動員のアイデアくれてああいう形になりました。
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▲CHAQLA. Bikky
────見てる側にはエンタメとして楽しさがある一方、張本人たちには残酷です。でも、CHAQLA.は出口動員全公演1位ですよね。
Bikky:……あれ、これ気まずいやつですね。
────提案した側なのに(笑)。MAMA.はどうでした?nuriéやCHAQLA.と闘ってみて。追加公演では入場時のお目当てから出口動員で大きく数字を動かしたり手応えもありましたが。
真:いやー、でも悔しかったですね。命依は「うちは数字とかで勝負してないから関係ないって」ずっと涼しい顔してたけど、たぶん悔しさはあると思うんですよね。どうなんだろ…。なんにせよいつも以上に気合いも入ったしヒリヒリする空気だったからこその成長はありましたね。これは俺らだけじゃなくてCHAQLA.とnuriéからも感じたかな。いつもだったらみんなで会話して爆笑が起きてるのに、漢上げの日は会話はしてるんだけどそんなに続かないみたいな。それを一番感じたのが大阪だったんだよね。
────大阪RUIDOはCHAQLA./nurié/MAMA.順番で。3マン形式は初めてでした。
真:そう。最初はCHAQLA.と2マン、そのあとはnuriéと2マンだったのが大阪では3マンになって。なんか緊張感ありましたよね。
染谷:ファイナルのclub asiaもあったと思う。
────大阪RUIDOと東京のclub asiaが3マン形式でしたから、余計に勝ち負けでいうと2組が敗北してしまう構図ではありますしね。しかし、この3バンドのすごいところは7月の高田馬場での追加公演をあの4月のclub asiaの楽屋で決めてしまうところですよ。会場入りして“昼過ぎにもう1回やりたいね”って話になって、夕方には東京中のライヴハウスで電話かけてハコ抑えてスケジュール調整して。
Bikky:ね(笑)。
────それで本番中は出番じゃないバンドがチケット段取りとフライヤー作って、その日に即日解禁してチケットの販売も始まるってちょっと考えられないですよ。思いついてから8時間後にはもうチケット売ってるって。この3バンドのチームワークを感じる驚きの出来事でした。
染谷:まだやり足りないとみんな思ったんでしょうね。nuriéとしては数字上の悔しさももちろんそうですけど、自分たちのやれることを出し切ったのに勝てなかったことの方がもっと悔しかったんです。結果こてんぱんだったじゃないですか。大阪RUIDOの時は正直腑に落ちちゃったんですよ、CHAQLA.のライヴ見せつけられて。でも、ファイナルのclub asiaはやり切れた感覚があっただけに…うん、“絶望”でした。
────大阪RUIDOもそのclub asiaを経た追加公演の高田馬場CLUB PHASEも素晴らしいライヴでしたけどね。気迫に溢れていて。
染谷:でも“絶望”って感じるともう改善点がどうのって話じゃないんですよね。希望がないことを絶望って言うんだなって。でもその中で自分たちなりに磨くべきところを磨いてきて臨んだ追加公演でした。
────自分たちが成長しているときに隣のライバルも成長してますからね。
染谷:だからCHAQLA.とMAMA.のことは常に意識してますね。対バン被ってない時期でも。
Bikky:でもさ、この前のO-WESTのKHIMAIRAさぁnuriéヤッバかったよね?
真:カマしてたっしょ。
Bikky:KHIMAIRAの打ち上げでずっとnuriéヤバかったって話してたもん。
────まさに自分たちの活路を見つけたようなステージでしたよね。あと、大きいステージに向いてるんだなとも思いました。ライバルであり仲間なのがこの3バンドの美しいところですが、漢上げというくくりでいうと10月にはMAMA.はドラマーが抜けるというピンチがあったところをおふたりが助ける場面もありました。
染谷:まぁいろんな感情があるから上手く言えないけど、MAMA.がピンチなタイミングの次の対バンとその次の対バンにちょうどCHAQLA.とnuriéがいるってのはすごいなって思いました。しかも地方の長野と神戸やのに。
Bikky:そうね!それは偶然にしてもすごいと思った。
────長野はBikkyさん、神戸は悠太さんがそれぞれここでもわずか数時間でスタンバイして急遽MAMA.のドラムを叩きました。
真:あれは恩しかないなぁ。
染谷:しかも漢上げ終わってからライヴもほとんど被ってなかったやん?しかも自分たちの主催でもない対バンでたまたま一緒になってるなんてねぇ。
真:たしかに俺らって実は他のイベントで被ることあんまないんだよね。漢上げとKHIMAIRAぐらい。
染谷:夜中3時に真ボーイからLINEきたの覚えてる。
Bikky:そうだったね。真ちゃんから連絡きたんですよ。
真:この信頼の2バンドには助けてもらいました。ありがたいです。