【LM.C】ライヴレポート◆2025年春に全国ツアー開催決定!2024年秋冬ツアー<Club Circuit ’24 -Autumn->総括&ファイナル長野公演レポート
どんな時も、いかなる所でも、そしてあらゆる場面においても。LM.Cがこれまで我々に対して提示してきた姿勢や精神性には一切のブレがない。逆に、こと音楽性という面に関しては各曲によっての多様性や幅があるため、一概に“LM.Cの音楽とは〜的である”と断定するのが難しいところがあるものの、そのフレキシブルなスタンスもまたLM.Cらしさのひとつだと言えよう。
「ツアーが今日で終わっちゃうの、さびしいなぁ。まぁ、来年も3月からツアーはやるんでね。そっちの内容の方はこれから考えますけど、とにかく2024年は春からずっとハッピーわっしょいなツアーがやれてたし(笑)、秋はどうなるのかな?と思ってたらこうしてまた楽しい感じでやれてきてるんで、ここはこのまま先につなげていきたいと思います。そして、来年とか再来年ってなると今度はいよいよ20周年になってきちゃいますよ。幸い、我々は自分たちの伝えたいことを音楽に託すことが出来ている18年間を過ごして来られてるから、今日もそういう記憶を増やしていこうかな!」(maya)
今秋で結成18周年を迎えたLM.Cが開催した[LM.C Club Circuit ’24 -Autumn-]のツアーファイナルとなった、長野・CLUB JUNK BOX公演のMCにおいてフロントマン・mayaがこのように語ったとおり、この日のライヴは彼らにとってツアー自体と2024年を堂々と締めくくるものであったと同時に、ここからの未来へとつながる重要ポイントでもあった。
「Yeah!ツアーファイナルです。地元・長野です!!今日もやっちゃいましょう。楽しむ準備はできてますか!!」(maya)
また、ライヴの冒頭でこのように叫んだmayaだけでなく、ギタリスト・Aijiにとっても出身地である長野でのライヴはLM.Cにとっての凱旋公演にあたるもので、過去を振り返ってみても年ごとの最終公演地として選らばれる確率はそこそこ高く、実はファンの間でも長野でのライヴはやや特別視されているところがあるらしい。なんでも、終演後にAijiがSNSにポストしていた内容からすると、この日も日本全国はもちろん台湾、韓国、香港などさまざまな地からファンが駆けつけていたそう。
なお、今回のツアーに関しては各公演が絶妙に異なるセットリストで展開されてきており、日によって幕開け曲も全く違うというのがひとつの特徴であったのだが、なんとこの長野公演で冒頭を飾ったのは新曲「Egoist」。このツアーから初めてお披露目となった一方で、ライヴの回を追うごとに研ぎ澄まされていくことになったこの曲は、Aijiの弾くエッジーで攻撃的なギターフレーズと、mayaの説得力あるヴォーカリゼイションが交錯する珠玉のアッパーチューンだ。
〈不文律の荒波にさらされ どう生きるのかを試されている でも最後にはピース〉
というフレーズの光る歌詞も含めて、この「Egoist」という楽曲にはLM.Cならではのダイナミックな躍動感と、天衣無縫であるばかりか良い意味での強(したた)かさもあわせ持つ、揺るぎなきmayaイズムも濃厚に詰まっているところが実に素晴らしい。身近なところで言えば人々がインフレ傾向の経済状況に翻弄されたり、闇バイトだの集団強盗だのと日を追うごとに国内治安にも不安が生まれ、そればかりか世界情勢も何かと不穏になっていくばかりの現世にあって、mayaがわざわざ「Egoist」と題したこの歌を今宵の1曲目に歌いあげたことにはきっと大きな意味があるはず。
たとえば、時に日常会話の中で使われる「あの人ってエゴイストだよね」という言葉はポジティヴな意味を持たないように思われるけれども。mayaが「Egoist」の中で歌うエゴイズムとは、もしかしたら〈情けも愛も人の為ならず 己の為に〉という1節に集約されるものであるようにも感じられはしまいか。ちなみに、この「Egoist」はまっさらの新曲にして未発表曲なのでリリースは今のところまだされていないが、mayaのSNSアカウントにて歌詞内容がツアー中から全文公開されているため、気になる方はぜひとも御確認をいただければと。
むろん、このオープニング以降でもLM.Cの“自分たちの伝えたいことを音楽に託す”さまはありありと発揮されていくことになり、〈辿り着く場所なんてどこでもいいさ〉という歌詞に長野・CLUB JUNK BOXの名前を織り込んで〈辿り着く場所は やっぱJUNKがいいね!〉とmayaが歌い替えた「PUNKY ❤ HEART」や、何時にも増してAijiのギターヒーローぶりが映えていた「OH MY JULIET.」、オーディエンスが曲に合わせてシンガロングしてみせた「ChainDreamers」など、そこにいる誰もがハッピーになれる音楽をLM.Cは今宵も体現してくれていたのだ。
とはいえ、LM.Cの描き出す音楽世界とはただただ陽気かつ能天気に盛り上がるだけではないのも事実。ライヴの中盤戦では美しくもある種の畏怖をまとった深淵なるバラード「Campanella」や、無常と真理をエモーショナルに綴った「キミヨサラバ」のような滋味深い楽曲もじっくりと聴くことが叶い、あらためてLM.Cの歌う幸せの意味の奥深さを感じた次第である。
名は体を表わす「COMBATmode」からの後半戦ではアガりにアガり、再び場内から大きなシンガロングの声が湧きあがった「It's a Wonderful Wonder World」、mayaとAijiがツインヴォーカル的なアプローチをみせる中でこれまたシンガロングが発生した「DOUBLE DRAGON」、ここぞという時の鉄板曲「The BUDDHA」、それこそ18年前からずっと変わらずに愛されてきた名曲「BOYS&GIRLS」…。LM.Cは時おり“最新のLM.Cが最高のLM.C“という言葉を使ってきたが、この日のツアーファイナルもその言葉を地で行くものになっていたと言っていい。
「このツアー、本来だとそろそろ終わってる時間なんですが。今日はもうちょっとやろうかな。地元だしファイナルだし。うちらはアンコールなしの一本勝負なんで、よろしくお願いします!行こうぜ地元!!」(maya)
ということで、地元ボーナス分として加えられたのはアグレッシヴな「METALLY」と、LM.C流パーティチューン「Chameleon Dance」にくわえ、最後にはなんと再びの新曲「Egoist」。新曲で始めて新曲で締めるとはなんとも心憎い。
「短いツアーではありましたが、凄く充実した日々を過ごせました。(中略)今年は春のツアーも最高だったし、なんか「生きてんな、俺!」っていう実感が凄くあったんですが、このツアー中にはあっという間に50歳を迎えつつで(笑)、今回も本当にどこも最高でした。どうもありがとう!来年の春、またみんなでLM.Cしましょう!!」(Aiji)
「ツアーファイナルでの地元・長野でしたが、みんなやっぱりさすがだなと(笑)。また帰ってきますんで、これからもよろしくお願いします。(中略)また絶対こうやってみんなで遊びましょう!じゃあ、今日も最後はでっかい声で締めたいと思います。せーの、Peace!!」(maya)
なるほど。LM.Cのライヴでは定番の「Peace!!」というこの言葉は、つまり「Egoist」の〈でも最後にはピース〉にかかっていたというわけか。
来る3月からは、今ツアー本数の倍となる全12公演体制で[LM.C TOUR 2025]を決行するというLM.C。現在は制作期間にも入っているとのことなので、ツアー前には新音源が発表される可能性も高いが、そのあたりは続報に期待しているとしよう。いずれにしても、彼らの揺るがぬ姿勢や精神性は来年も貫かれていくに違いない。
どんな時も、いかなる所でも、そしてあらゆる場面においてもLM.CはLM.Cで在り続ける、という絶対的な信頼感。我々としては、それをまたライヴというかたちでぜひともピースフルに堪能していきたいものだ。
Text: Yuki Sugie
Photo: SAYAKA AOKI(PROGRESS-M), Team☆LM.C
LIVE
2025年、全国ツアー開催決定!!
■LM.C LIVE TOUR 2025
3月8日(土) 福岡 DRUM Be-1
3月9日(日) 山口 LIVE rise SHUNAN
3月15日(土) 札幌 SPiCE
3月16日(日) 札幌 SPiCE
3月20日(木・祝) 名古屋 Electric Lady Land
3月21日(金) 大阪 ESAKA MUSE
3月24日(月) 埼玉 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心
3月26日(水) 柏 PALOOZA
3月30日(日) 長野 CLUB JUNK BOX
4月2日(水) 横浜 ReNY β
4月5日(土) 郡山 CLUB #9
4月11日(金) 台湾・台北 THE WALL LIVE HOUSE
4月12日(土) 台湾・台北 THE WALL LIVE HOUSE
4月14日(月) 香港
4月26日(土) 恵比寿 LIQUIDROOM
関連リンク
【LM.C OFFICIAL】 ◆Official Site ◆Official X ◆Official Youtube Channel →メンバーシップに登録いただくとメンバーのレアな配信や、コミュニティ投稿がご覧いただけます! 各音楽配信サイトにて楽曲配信中! https://www.tunecore.co.jp/artists?id=357793