1. HOME
  2. NEWS
  3. 【vistlip】ニューアルバム『THESEUS』&東名阪ツアーに向けて“ライヴ”をテーマにYuh、海、瑠伊の弦楽器隊の鼎談敢行! 

【vistlip】ニューアルバム『THESEUS』&東名阪ツアーに向けて“ライヴ”をテーマにYuh、海、瑠伊の弦楽器隊の鼎談敢行! 

1月8日リリースのフルアルバム『THESEUS』。
不変の“らしさ”の中に作曲者の個性が色濃く漂う、音楽的バラエティーに富んだ意欲作だ。言ってしまえばその彩りの豊かさがvistlipの個性とも言える。
今回はvistlipにとっての「vistlipらしさ」、そして「ライヴ」を主軸に置いてYuh(Gt)、海(Gt)、瑠伊(Ba)の三者による鼎談を敢行。
今このタイミングでvistlipが向かうライヴのベクトルと、3人によるそれぞれの視点からの最新作の解釈をお届けする。

◆       ◆       ◆       ◆       ◆

意識をもっと内側に向けた


────ONE MAN TOUR[Ship of Theseus]に先駆けて、今日は「vistlipにとってライヴとは?」をメインテーマにお話を伺って行きます。まず、2024年は怒涛なライヴ展開でしたけれど、振り返ってみるといかがでしたか?

Yuh:2024年に入ってから環境も変わって、関わる人が増えたこともあって具体的なアドバイスをもらえることも多くなったから、しっかりと目標を持ってライヴに臨めたと思っていて。ステージ上でのメンバー同士のコミュニケーションも、今年になってかなり多くなったと思う。ほら、俺らって普段から仲がいいじゃないですか。

────そうですね。

Yuh:それがステージでもより見えるようになったというか、見せられるようになって。この1年で、自分たちが楽しめているものでオーディエンスのみんなを楽しませるっていう見せ方が、前よりもできるようになったんじゃないかな。そういう見せ方もそうだし、ライヴを観に来てくれた関係者の方からも「ここがよかった」って言ってもらえるのを聞くと、アドバイスを活かして実践したことがちゃんと伝わったんだなって思えることもありましたね。

瑠伊:それに、2024年は結構コンセプチュアルなライヴが多かったので、企画とかコンセプトをみんなで考えるのも楽しかったですね。春に特化した選曲でライヴしたり、A面B面に特化したライヴをしたり、その時々でレアな楽曲も演奏して、特別なライヴを毎回作っていけたのがすごく楽しかったです。

────企画やコンセプトに沿った選曲によって、幅広いvistlipの楽曲をたくさんライヴで聴くことができた1年だったなとも思いますし、それに伴う特別感がありましたね。

瑠伊:もちろん普段のライヴも含めてだけど、ライヴに対してもう一段階気持ちが乗っかるというか、今まで以上に1本1本大事にできたんですよ。そうなれたのは環境がガラッと変わったこともそうだし、今一度メンバー全員が同じ方向を向けたことが大きかったと思う。

────海さんはいかがでしょう?

海:ウチの場合、毎年7月が転機というか節目になってるので、それを境にした前半は瑠伊も言ってたように企画やコンセプトがあるライヴをメインにやったり、今までほぼやってこなかった2マンとか対バンの機会を多くしたりして、「できるだけ可能性を広げよう」っていう感覚があったんです。「vistlipにはこういうところもあるんだよ」っていうものを見せられればいいかなと思っていて、それを7月7日(記念日ライヴ)に集約できればいいなと。だから、前半は特に“横の広がり”というか……それはよく言う人と人との繋がりだけじゃなくて、バンドとしての横軸を広げることを意識していた部分もあれば、無意識な部分で取り組んでいたことでもあったんですよ。

────vistlipのふり幅を再確認しつつ、それを広く知ってもらう、と。

海:そう。で、後半はファンクラブ限定でリクエストライヴをやったり、シングル(「B.N.S.」)を持ってアルバム『THESEUS』の前哨戦みたいな形でワンマンツアー(ONEMAN TOUR[PRE-ORDER])もまわったりしたから、どちらかと言うとバンドの縦軸を伸ばすライヴをしていたなと。それに、今までのライヴに対するメンバーの意識の向け方で言うと、お客さん側に120%だったんですよ。それは良くも悪くもで、一歩間違えると個々でライヴをやってるようにも見えるところがあって。その意識をもっと内側に向けたというか、まずは内側で楽しむっていう方向にしていったんです。

────それは、Yuhさんと瑠伊さんのお話の中にもあった“成果”の部分にも繋がりますね。

海:実際、後半のライヴでは意識せずとも内側で楽しむことができるようになったと思っていて、ライヴ中もなんとなくのアイコンタクトで意思疎通が図れたり、メンバー同士が絡んだりすることが自然に増えてた気がする。そういうところでも、バンドが縦の方向に少しずつ変わっていけたのかなと思いますね。

────その中で、メンバーに対して感じた具体的な変化もありました?

海:ここ最近、瑠伊がイヤモニをつけ始めたりベースの音をいろいろ試したり、ベースに対する向き合い方がいい方向に変わってきてる気がする。実際に、音もよくなってるし。ちなみに、Tohyaに関してもアルバムのレコーディングが終わってドラミングが変わったなって感じたんですよ、本人は自覚ないみたいだけど(笑)。だから、確実に変化があった1年だったとは思いますね。

瑠伊:単純に、機材周りに関して協力者が増えたんですよ。ベースに対していろいろ試せる環境があると、楽しくなるじゃないですか。それで、結構男心を擽られたっていうのはあって(笑)。

海:ベース少年になってるときあるもんね(笑)。

瑠伊:そうそう。楽器始めたてのころの感覚を、大人になってまた改めて味わってる感じ。

海:Yuhはそれが常日頃っていう感じだけど、瑠伊に関してはちょっと珍しいなと思ったんですよ。

Yuh:それこそ、機材周りの追求は音に対するこだわりと共に終わりはないですよね。

▲Yuh(Gt)

海: Yuhのここ1~2年の変化で言うなら、「(ライヴ中)こんなにギター変える人だっけ?」っていうのはある。

Yuh:曲のインターバルを大事にしたいのは今も変わらないんですけど、それこそギターチームがいるから持ち替えが叶うところもあって。その曲にあったギターで弾きたいっていうこともできるようになったし、こだわれるようにもなったことで満足感は確実に上がりましたね。

──── 一連のライヴの話題に具体例を出すならば、海さんのバースデーでは、海さんから見たメンバーの好きなところが引き立つ曲をセレクトしたというのをMCでもおっしゃっていて。結果、バンド全体をフィーチャーしたライヴになったというのは「さすがリーダー」といったところでしたし、実際に全員がそれをいいコンディションで発揮できていたなと。

海:「実はこの曲のコイツ、スゲェいいんだよな」って個人的に思ってる曲で組んだから本当に自己満ではあったけど、「ウチのメンバー、スゲェだろ!?」って思いながら設定したのはある。あとは、約1週間後に控えてたYuhのバースデーの日は絶対に筋トレみたいなライヴになるだろうと思ってたんで(笑)。そことは違うものにするなら柔らかめの曲を多めにしようかなと。それに、みんな眼鏡かけていて暴れ回ったら危ないし。

────優しい……。

海:じゃあ、ドレスコードに眼鏡なんて指定すんなって話だよね(笑)。

────(笑)。そして、Yuhさんのバースデーは“筋トレみたいなライヴ”といえばそうだったんですけれど、型にはまらない破天荒な感じは昔からYuhさんが理想としていたライヴの形でもあるなと思いました。

Yuh:これをやり続けたいとか、今後もこれで行きたいっていうわけじゃなくて、いわゆる一つの選択肢として「こういうライヴもするよ」みたいな感じ。それこそ俺も海も瑠伊もやりたいライヴとか曲って違うからこそ、バースデーライヴはそれぞれの趣味を押し出すこともできるし、バンドとして「こういうこともできる」っていうのがいっぱい見せられるからいいと思うんですよね。ただ、例年の俺のバースデーに比べると、激しさや重さの中にも大人っぽさというか明るさとか温かさも含めてできたっていう意味では、今の自分たちらしさも出せたんじゃないかなと思いますね。

関連キーワードでチェック

この記事をSNSでシェアする