【umbrella】主催イベント<路地裏サーチライト>6月23日(月)大阪BIG CATに向けてフルメンバーインタビュー敢行!「関西はumbrellaに任せとけ!」

大阪を拠点に活動するオルタナティブ4ピースバンドumbrellaは活動16年目に突入した。
今年3月の味園ユニバースワンマンも大盛況で、ここに来てその勢いを急加速させていることは明白だ。
対バンを求められる機会も増えたその背景には昨年10月に主催したイベント<路地裏サーチライト>の成功がある。その意志とセンス、そして地元大阪に根差した姿勢は共鳴を巻き起こした。
そして6月23日、わずか8カ月のタームで再び開催されることとなった同イベントの会場はまさかの大阪BIG CAT。
上半期のハイライトになることが期待される重要公演に向けて、フルメンバーインタビューを敢行した。
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15年やってきて今が一番お客さん多いって良いことなんか悪いことなんかわからないけど(笑)。
────味園ユニバースでの15周年ワンマンライヴはとにかく素晴らしかったですよね。歴史も内包しながら鮮度と高揚感もあって。
唯:終わってから数日は余韻が抜けなかったですね。今までumbrellaを15年やってきた中でホンマに一番いい景色やったんちゃうかなって思います。あの3月15日の味園ユニバースワンマンに向かうまで怒涛のスケジュールで手一杯だったんですよ。確定申告もあるし(笑)。
────ライヴ以外でも(笑)。
唯:そう(笑)。まぁ冗談はさておきバンドとソロも並行してたんで大変やったんですけど、あの景色を見て全部報われた気がします。
柊:15周年のワンマンやからもちろん楽しかったんですけど、特に普段と何かが違うというよりは、変わりなく良いライヴができたなっていう感触かもしれないです。あのワンマンを踏まえて、じゃあ次は何をどうしようかなっていう方向に脳が向いてますね。
唯: 15周年ってもう二度と来ないじゃないですか?だからお客さんには特別感があったと思う。僕らはいつも通りわりと飄々としてたけど、お客さんに大きな思い出を与えてあげたいって気持ちは大きかったですね。
柊:周年ワンマンってお祝いする場を設けようみたいな感じじゃないですか?もちろんシンプルにそういう楽しさはありつつも、一番デカい規模でのワンマンだったってことも嬉しかったですね。とにかく楽しかったな~って感じ。
将:僕はね、とにかく冷静でした。
────特別感はなかったですか?
将:いや、これはドラムっていうパート的な問題なんですよ。ドラマーが焦ったりすると絶対良くないんです。それを解ってるから、あえて冷静にいようって自分に言い聞かせてました。デカいワンマンだからこそですね。
────あの日は将さんがメンバーの背中をとにかくよく見ている姿も感慨深いものがありましたけど、そういうテンションだったんですね。
将:それはあったかもしれないですね、無意識に。ライヴ自体もなんですけど、味園ユニバースって大阪を象徴する素敵な会場で演奏できる喜びと“ここでやるのはこれで最後なんやなぁ”っていう寂しさもありました。何十年経っても思い出すでしょうね。

春:そうやなぁ。そもそも10周年の時に味園ユニバースワンマンを発表したけど、コロナで延期の延期とかになって、ようやく2021年にやった時は無観客で。それが昨年10月の<路地裏サーチライト>では主催でお客さんを入れて開催できて、今年の3月には念願の有観客ワンマンですからね、感慨深すぎますよ。<路地裏サーチライト>が大成功してお客さんの熱も高まってるなかで迎えられたのがとにかく良かったですね。
────今年6月に閉館と報じられているなかで、なんとか間に合いましたもんね。
柊:そうですね。
春:リード曲中心のセットリストでベストアルバム的なライヴにしたのもお客さんに楽しんでもらえたと思います。
────何よりお客さんもたくさん集まりました。やってやったぜ!感もあるんじゃないですか?
柊:もちろん!(笑)。
春:あるっすよ!もちろんお客さんももっともっと増やしていこうとしている最中ですけど。総じて良いライヴだったと思います。
────umbrellaって16年目にしてめちゃくちゃ勢いが出てきてますよね。
唯:それ…そういう風に思ってもらえるなら嬉しいけど、そんなに実感ないですよ(笑)。
────若手バンドからも“umbrellaと対バンしたい!”って声を多く聞くようになりました。
唯:ホンマですか?
春:ありがたいことに最近若いバンドから誘ってもらえることは増えましたね。
唯:そうなん?
春:スケジュールが合わなくて実現してないだけで、めっちゃ嬉しいですね。
柊:umbrellaって怖いイメージもたれてるらしいから、あんまりどうなのかなって思ってました。見た目黒いから勘違いされてるかもしれないです。怖くないですよ(笑)。
唯:どういう意図でumbrellaとやりたいんやろなぁ?僕ら的にそんなのって全然ウェルカムじゃないですか?こっちからもアプローチしたいんですけど、面識がない方にあんま軽々しくいったらあかんのかなぁとかちょっと考えちゃいますよね。嬉しいな。
春:前回の<路地裏サーチライト>以降、そういうことも増えてるし、“曲良いよね”って言ってもらえる機会も増えた。umbrellaがどういうバンドなのかがここに来てまた伝わっていってる気がしますね。
────前回の<路地裏サーチライト>がかなりデカいんじゃないかって思います。
柊:自分らで言うのもなんですけど、今の大阪であの規模感のイベントをバンド主催でしている人がもういないと思うんで、それは大きかったでしょうね。あえて東京のバンドさんを呼んで出てもらうみたいなことってあんまりないですし。

春:東京のバンドさんのスケジュールを抑えて、1本のライヴのために大阪に来てもらうってめっちゃ難しいことですからね。イベントの主催って大変なんやなって身に沁みました。でも、大阪のバンドが地元でこういうムーヴをしていかなきゃいけないでしょって思ってるし、誰かがやらないといけないですよね。そんなん、俺らがやらなしゃあないやん!って(笑)。東京のバンドを観たい大阪のお客さんもいっぱいいるからこそ、こういうイベントをやってお客さんに機会を作らないとただただ大阪のシーンが衰退していっちゃうと思うんですよ。
唯:みんな関東に行っちゃうもんね。<路地裏サーチライト>って…あれ最初は何年前やったっけ?
春:10年以上前ちゃう?club ALIVE!っていうところでやってたんですよ、僕らが育った小さい会場で。良い音楽をやってるバンド集めようぜ!っていう、商業的なスケベ根性を全部抜きにしてやろうぜってところから始まってるんですよ。
唯:ホンマに人気とか利益とかそういうのを置いて、自分らが良いと思ったバンドだけで。動員とかも全然わからん状態で誘ったバンドもいたし、自分たちが音楽を認めた…っていうのも偉そうやけど、そういうバンドだけでやろうっていうのが根本にあるんですよ。あとは春が言ったように、大阪にそういうイベントがなかったんです。
────<路地裏サーチライト>はそれから随分と時を経て昨年に復活しました。
唯:これはここ数年、umbrellaはもっと自分たち主導で動いた方がいいなって思っていて、そのきっかけとして<路地裏サーチライト>を復活させることにしたんです。そこに味園ユニバース閉館の件もあったから、やるしかないなって状況になって。でも、ただやって終わりじゃなくてその日を境にバンドにブーストをかけたかったからワンマンもやることになった流れですね。好きなバンドを呼ぶっていうスタンスは変わってない。それは今回のBIG CATも同じです。
────前回もそうでしたけど、先輩も多いんですよね。
唯:うん。先輩にぶち当たるっていうのはバンドが成長することでもあると思うんでね。
柊:でもこれは裏側の話ですけど、先輩方はめっちゃ優しかったですね。びっくりするぐらい。俺たちもこうならないといけないんだろうなって思わされましたね。
────ステージはおっかないんですけどねぇ。
将:たしかに(笑)。
柊:そうそう、ギャップがね(笑)。やっぱり先輩方は人としても素晴らしいですよね。
将:歴の長いバンドには、長く続くだけの理由があるなって思いましたね。音楽もだけど、とにかく練られて洗練されてるなって。そういう背中を見たからこそ、自分たちもまだまだ成長していけるって感じました。
唯:前回は観てて全バンド泣きましたもん。NoGoDから始まって、メリー、CASCADE、deadman。全バンド素晴らしくて喰らっちゃいましたねぇ。
将:NoGoDが「愚蓮」始まりで。
唯:あれで一気に火が点いたもんなぁ。メリーも全部フルコースでブチかましてくれたし、CASCADEは普段MCなんかしないのに“唯くんの夢叶えにきました“ですよ?…ねぇ。
────イベントの想いが繋がっていくシーンでしたよ。
唯:deadmanはエグかったです。涙も引っ込むぐらい(笑)。
────実際、その中でumbrellaもちゃんと主役として立ち振る舞いましたよね、ライヴのクオリティも。15年間の中でぶっちぎりの史上最高動員も叩き出しましたし。
唯:対バンの動員ではぶっちぎりですね。
柊:嬉しいことですね。
春:15年やってきて今が一番お客さん多いって良いことなんか悪いことなんかわからないけど(笑)。
一同:(爆笑)!
将:ホンマや!
柊:時代が追いついてきたってことにしときましょう(笑)!
唯:ずっと応援し続けてくれてるファンにも我慢もさせてきたなと思ってるけど、自分たちも我慢してきて良かったなって思ってます。お客さんはホンマに応援してくれたなって。
春:そうやな。お客さんも頑張ってくれたと思う。
唯:幕が開いた時にしばらく来てなかった人も来てくれてたりとか、顔見たらわかるじゃないですか?そういうのもすごく嬉しかったですね。