【deadman】◆独占インタビュー◆19年ぶりとなるオリジナルアルバム『Genealogie der Moral』をリリース。「懺悔を聞いてるのが本当に神だとは限りませんからね。」────（Vo：眞呼）

2019年に突如シーンに舞い戻ってきたdeadman。1年限定とされていた活動はいくつかの邂逅を経ながら奇跡的に継続し、ついに実に19年ぶりとなるオリジナルアルバムがドロップされる運びとなった。
題して『Genealogie der Moral』。直訳すれば“道徳の系譜”となるこの作品はあの頃から変わらないダークネスと今だからこその色味も纏っている。聴衆を低温調理しながら血液や臓器まで冒していく、遅効性の猛毒のような無二のバンド。長年の愛好者である“兄弟”はもちろんのこと、これから扉を開く者も必読の2024年のdeadman。眞呼(Vo)とaie(Gt)が当時のことも振り返りながら語ってくれた。

よく一緒に飲むようになりましたね。

────今回オリジナルアルバム『Genealogie der Moral』とリテイクアルバム『living hell』が3月30日にリリースされることになりました。特に『Genealogie der Moral』はオリジナルアルバムとしては19年ぶりとなりますが、何故このタイミングでリリースしようと思ったのでしょうか？

aie：2019年の復活から時間が経って、活動を続けていくなかで、我々がちょっと既存の曲だけをプレイすることに飽きてきたんですよ。それで、アルバム作ろうぜっていう極めて自然なテンションです。昨年の頭くらいから構想がありました。

────こういった色合いの作品にしようという青写真はありましたか？

aie：deadmanっていうバンドをずっと好きだった子たちには確実に刺さる内容かつ、僕と眞呼さんの現在進行形をパッケージできればいいなとは考えてました。なので、あえて作風を意識するっていうこともなかったです。そこにkazu君と晁直が参加してくれている。この４人で作る音だったら絶対大丈夫だという信頼はあったので。ずっと応援してくれているファンの子たちのためでもありながら、自分達自身のためでもある、そんな作品かな。

────復活した当時と今では世界情勢や日常を取り巻く環境も変わってきました。deadmanの描くものに変化はありましたか？

眞呼：世界観は変わってないですね。変わってないんですけど、より現状を言葉にしなきゃいけないなっていう考えがあったので、よりダイレクトな感じにはなったと思う。あと、2019年の復活の際にアルバムを出さなかったのは、解散することを決めて復活したからっていうところもあります。

────当初は１年間の限定復活でしたよね。

眞呼：そうです。解散するのにアルバムが出るっていうのも奇妙なので。ただ、そこから状況や情勢が変わってdeadmanの活動が続いたので、このタイミングで新しい作品が生まれることになりました。これからもやり続けるんだということが見えたんでしょうね。ある意味では、行き当たりばったりなところもありつつ、それがこのバンドにとっては自然な流れなんじゃないかなと思います。

aie：例えば世界が幸せで溢れていれば我々の音楽は不必要になるし、仮に幸せな世界だったらバンドを名変えてハッピーになっていくかも知れないですけど、それはdeadmanではないですからね。

眞呼：そうですね。

aie：当時は眞呼さんの苦悩がdeadmanの歌詞だったと思うんですけど、今はその思考をメンバーで共有して、世界と戦っていこうぜというモードだから。今回の作品はこれまでになくメンバー４人で共通した認識を持ってますね。

────眞呼さんとaieさん、お二人の関係は復活後から数年経って、昔と変わったところってありますか。

aie：よく一緒に飲むようになりましたね。

────昔はそんなに飲まなかったですか？お二人では。

眞呼：うん。

aie：やっぱね、眞呼さん本番前だとそんな飲まないし。今でも眞呼さんは本番前は途中で帰るとはいえ、日付変わるぐらいまでいますもんね。

眞呼：うん。aieさんと話をするうえで、お酒がちょっと必要なんだなっていうのを理解しました。真面目な話をするのもお互いこっ恥ずかしいから、お酒入ったら楽に話せるなっていう。

aie：ハハハハ。

眞呼：aieさんがお酒飲みだからっていうわけじゃなくて、私も含めてお酒があると話しやすい関係性という。お互いに何を考えているかっていうのを知る必要があるので、飲まなくてもその場にはいるようにしてます。考えを聞くことを大切にしているのは2006年までとの大きな違いですね。

────昔以上にコミュニケーションするっていう作業を大事にされている。

aie：そうですね。現役ミュージシャンの中では一位二位を争うぐらい飲んでると思いますね。メンバー４人で。

────aieさんのことですから飲む量も回数も違いますよね(笑)

aie：うん。あと時間もそうですね(笑)