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【KAKUMAY・ゆいと。(B)】◆独占インタビュー◆──薬指切断。衝撃の事実と当時の葛藤をゆいと。が振り返った。KAKUMAY4月3日恵比寿リキッドルームワンマン「No.1」に向けて反骨の逆襲開始。「心の準備はもう出来てました。」
真虎はカリスマじゃない。だからついていく。
────KAKUMAYってどんなバンドなの?って話なんですけど、夢をちゃんと目指しているバンドだと思うんですね。今時、夢とか掲げるのもこっ恥ずかしいのかも知れないですけど、このバンドはそれを堂々とやっている…青春群像劇みたいなドラマを感じます。
ゆいと。:それは僕らが、常に挑戦するバンドでありたいからですかね。手売りとかに関しても、その規模を満足させたいというよりはその先に向かって絶対に突破するんだっていう気持ちで。リキッドルームが最終的なゴールではないけど、やっぱり夢じゃないですか?リキッドですよ?…と言いながら、なんでリキッドになったのか忙しすぎてあんま覚えてないんですけど(笑)ただ、僕にとってリキッドが実は思い入れのある会場でもあり、最終的な夢の場所に大きく近づくターニングポイントかなと思います。そこに挑みたいっていうのはメンバー全員に共通してます。
────規模やスケールに対する憧れですよね。しかし、その分岐点に至るまでに全国ツアー2本、『KAKUMAY LIVE TOUR ACT1 "アンチェイン"』、『KAKUMAY LIVE TOUR ACT2 "共依存"』を敢行し、音源のリリースも続けているわけで、かなりタフな活動となっています。ゆいと。さんはリーダー的立ち位置でもあると思うのですが、バンド内部の変化はいかがですか?
ゆいと。:9月のWESTとは多分ライヴがもう全然違うと思うんですけど、やはりメンバーのメンタルが良くなったなと。特にNEROくん(Gt)は一番メンタル的に強くなったかなと思いますね。彼は精神的にそんな強い方ではなかったんですけど、今年入って1月、2月のスケジュールでほぼ毎日のように会うようになってて、そのうち喧嘩とかするかなと思ったんですけど、特にそういうのもなく。仲の良さが増したというか、彼に限ったことではないですけどNEROくんは特に成長したと思います。
────韓国から日本にやってきて…という環境もありますしね。ただ、スイッチ入った時のNEROさんは愉快でチャーミングな人なので個人的にはそれをステージでももっと解放してほしいという願望はあります。
ゆいと。:「キムチ嫌いな韓国人だっているんだよ!」とか言ってて面白いですよね(笑)
────せっかくなので他のメンバーさんの話も伺いましょう!
ゆいと。:照れますね(笑)アザミくん(Gt)は下手に一緒にいるんで、僕としてはもう下手は彼しか考えられないんですよね。もうちょいで2年ぐらい二人で下手をやってるんですけど、2年でも阿吽の呼吸ができるようになるんだなってぐらいやりやすい、相棒です。あと彼はギターをぶん回すんですけど、“あ、来るな”って雰囲気でわかるのでノールックで避けられます(笑)加入した時からステージングがすげーかっこいいなと思ってたんで、みんなに見てほしいです。
アザミ:もう一声!!
────静かに!(笑)
ゆいと。:あははは。僕しか知らないところでいうと彼のステージは真後ろから見てもかっこいいんですよ。これは僕の特権です。で、晴くん(Dr)は…一緒にいる時間が多いです。
晴:(弁当を食べながら)え、終わり?
ゆいと。;地方から出てきてくれて、そもそもバンドに対する覚悟が違うと思います。最初の方はちょっと田舎感とかあったんですよね。新宿集合なのに迷子になっちゃうんです。東京慣れてないんだな~みたいなのがあったんですけど、今はもう無事…東京に染まりました(笑)
────最悪ですね…。ライヴ前もガブガブお酒飲むし。
晴:ちょっと!ブランディングが大事なんで!(笑)
────9%のチューハイ片手に言うことじゃないですよ(笑)
ゆいと。:こういうところも本当に“はるぼう”って感じで可愛いんですよ(笑)でも、彼もやっぱりドラムを叩いてる姿が一番かっこいいんで、そこはギャップがあって良い愛されるキャラクターだなと思います。
────表情管理や感情表現でもそのライヴの意味を伝えてくれるドラマーですよね、晴さん。晴さんを見てると今、どういうシーンなのかがわかります。そして、ゆいと。さんにとって最も関係値が深いであろうヴォーカリスト。真虎さんってクールでミステリアスな印象がありません?
ゆいと。:それはよく言われます。彼とは10年の付き合いなんで、今更何を…って言う部分もあるんですけど、あるタイミングで突然急成長する時期が不定期であるんですよ。急に覚醒するみたいな…そういうところも一緒にいてワクワクするしヴォーカリストだなって思います。関係が長すぎるからわからないんですけど、クールに見えるし、才能とかカリスマ性出してるけど、多分真虎はカリスマではないんですよ。
────と言いますと?
ゆいと。:一番努力してる人ですね。誰も見てないところで実は努力しているタイプ。その姿を見せないけれど、真虎は努力であのカリスマ性を生んでいると僕は思います。10年の付き合いだけど彼のことをこうやって説明するの、このインタビューが初めてですね。純粋についていきたくなるヴォーカルです。
────ゆいと。さんはしばしば「真虎は~とか、真虎が~」と主語に真虎さんをつけることからも絶大な信頼が伺えます。
ゆいと。:これツアー中にメンバーとも話したんですけど、“リーダーはゆいと。だけど、ボスは真虎だよね”って。男前で“俺についてこい!”が出来るじゃないですか。それってヴォーカルとして大事な要素なんですよ。特にKAKUMAYにとって。
────精神的支柱でもある。
ゆいと。:そうですね。彼は精神的にめちゃくちゃ強いです、ポジティブです。
────口数多いタイプではないですけど、バンドの柱として君臨している、と。ちょっと前の話になるんですけど、1年くらい前にVISUNAVIの主催ライヴがあって…
ゆいと。:もう1年も経つんですね。
────あの日のリハ終わりに真虎さんがツカツカ無言でこっちに寄ってきて、“なんだろう。なんか機嫌悪いのかな”って思ったら、“あの…「ニアリーイコール」って曲あるんですけど、あの…普段対バンではやらないんですけど…今日やります。なんで…あの……よろしくお願いします。”って言ってきたことがあって。
ゆいと。:なにそれ!(笑)
────そう!あぁいうクールに見えてこの人は心に炎を宿すタイプの人なんだって思いました。良い男ですよね。
真虎:ちょっとなんか聞こえてきたんですけど(笑)…まぁいっか(と席を外す)
ゆいと。:確かに対バンでそれ以降もやってないかも知れないです。そういう男なんですよ、真虎は。