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【vistlip・瑠伊(B) × DOG inTheパラレルワールドオーケストラ・メイ(B)】◆独占対談企画◆2024年6月15日(土)<vistlip presents[Party On]>◆待望の初2マン実現記念!完全撮りおろしベーシスト対談!
バンド始めた時から気持ちがずっと変わらない。
────今回vistlipから2マンライヴ[Party On](6月15日 名古屋SPADE BOX)に声がかかった時は率直にどう感じました?キャリアを歩んできた者同士でもあると思うんですけど。
メイ:まさにキャリアっていうところからして特別な存在ですからね。“おぉっ!”となりました。僕も昔からvistlipをずっと見てきたつもりですけど、最初からずっと売れ続けてるバンドだと思ってて。
瑠伊:そんなことないですって。
メイ:瑠伊さんはそう言うけど、その“売れてる”の中でも種類が色々あると思うんですね。その時の流行りに上手く乗ったりとか。でも、vistlipはある種、流行ってたバンドとは良い意味で違うような。服ひとつとっても時代のトレンドや個人の趣向は反映させながらも、ちゃんと独自のお城を築いているような。大筋の”ヴィジュアル系ってこうだよね”って場所からは少し離れた場所に立ってるんですよ。なのにずっと人気がある。だから…一匹狼?的な印象なので、今回こうやって対バンとか対談ができることが嬉しいですよね。
瑠伊:流行りに寄らずに、はそうかも知れない。嬉しいですね。
メイ:曲もそうですよね。群れないイメージだから、2マン一緒にしてくれるの?ホント?って言うのは率直な感想です。やらせてください!是非!っていう気持ちでした。
瑠伊:この2マン面白そうだよね。うちの海が“DOGとやってみたいんだよね”って言ったんですけど、即座に同意しましたね。これまで2マンしたことない相手だし。それこそ昔はDOGの主催に出させてもらったり、他の対バンで一緒になったことはあるけど、2マンってもっと踏み込んでガッツリ絡むものじゃないですか。だからどうなるんだろうって楽しみは強い。曲もキャッチーで、僕も好きだから当時からもよく聴いていたんですよ。でもキャッチーなのは曲だけじゃなくてヴィジュアルもそうだし、“楽しい”っていうことにフォーカスしている良いバンドですよね。

瑠伊(vistlip)
────この2バンドが混ざり合ったときに互いに改めて深まる理解もありそうですよね。
瑠伊:うん。でもね、そこは何というかやっぱり似てるバンド同士な気もしてるんですよね、現段階では。雰囲気とか、あとは5人のメンバーが良い意味でバラバラな感じも。だからお客さんは待望の2マンだったんじゃないかな。
メイ:近しいものがあるって瑠伊さんが言ってくれるの嬉しいんですよ。と言うのも、DOG inTheパラレルワールドオーケストラってどうしてもキラキラしたイメージが先行してしまっている部分もあって、ロックバンドとして見られることってなかなかなかったんですよね。もちろんそれが良い部分でもあったんですけどね。でも、今、活動休止を経て、また歩み出して、かなりバンド個体としてライヴも結構ロックバンドなモードなんです、キラキラって言うよりはギラギラ。昔の曲もやってるんですけど、説得力が増してきたと思うし、今だったらちゃんとvistlipとぶつかれるんじゃないかと。うちもすごいバラバラな5人ですし、vistlipも各々のキャラがそれぞれあるけど、やっぱりvistlipの5人揃った時のオーラはすごいので、そこにちゃんとぶつかっていきたいですね。
────そこにもシンパシーを感じる。
メイ:そうですね。スタイル自体は遠くないと思うし、あとは最終的にヴォーカルがガッと締めてくれるところが一緒かな。智さんもきっとそうだと思うし、うちの春も本当に頼りになるヴォーカルだから…うん、結構、魂と魂のぶつかり合いみたいな2マンになる気がします。
────ラインナップだけ見ると煌びやかなものを想像しがちですけど、手触りは予想外かも知れないぞ、と。ところでvistlipも今、以前よりアグレッシヴだという印象もありますよね。
瑠伊:キャリアや転機もあって、今そういうモードかも知れないですね。別にメンバー間で話し合ったりしてないんですけど、それぞれ意識がグッとアグレッシヴな方に向いた気はしていて…バンドとしての結束力も年々増しているように思うかな。
────DOG inTheパラレルワールドオーケストラの場合は復活の際にこういうテンションで進めようみたいな理想像は持っていたんですか?
メイ:いや、うちも自然とそうなりました。<最終列車を飛び降りて 此処からは歩いて行く>って歌っている「Pandora」って曲があるんですけど、その歌詞の通り、メンバーで一致団結して頑張ろうと思っているので、5人ひとりひとりの責任感が今は前とはちょっと違うなって思ってます。自分たちで以前以上にバンドを回しているので、メンバーそれぞれに係もあるし、そういうことでも意識が変わってるから浮ついたメンバーがいないです。成長が自然と佇まいに出てる気がしています。嘘偽りなく。
瑠伊:こうやってDOGが戻ってきてくれたのは嬉しいですよね。メイメイも個別活動とかしてたりしてるのも見てたんですけど、たまにそのままバラバラになっちゃったりとかってあるじゃないですか。だからDOGはそうじゃないといいなぁと思ってた矢先だったんで。復活のお知らせを聞いたときはすごく嬉しかった。あと、復活発表してすぐワンマンのチケットが完売してて勢いの感じたし、さすがだなぁと思いました。
────しかもEX THEATER ROPPONGIですもんね。
メイ:僕らとしても本当のところどうなるかなんてわからなかったので、タイミングが合って良かったです。
────結果として両バンド共にキャリアと勢いというある種、反比例しそうな武器を双方手に入れているタイミングだと思うんですけど、これからはどのような展望を抱いてますか?
瑠伊:なんかね、実は僕はキャリアをあんまり感じてなくて、実際まだ全然新人のつもりではあるんですよ。10周年迎えようが、今年の7月7日で18年目を迎えようが、バンド始めた時から気持ちがずっと変わらない。だから昔から展望も変わらないですね。要は上に登りたいって気持ちがとにかく強い。ずっと売れ続けてるって見えてると言ってもらえるのはありがたいことですけど、全然もっと上に行きたい。
────そうなんですね。しかし、これは瑠伊さんも承知しているところだと思うんですけど、若いバンド達から“vistlipに憧れてバンドを始めました!”って挨拶される機会が最近増えているじゃないですか?そのあたりはどう受け止めてますか?
瑠伊:ねぇ。最近多いですよね、ありがたいことに。もちろんとても嬉しいんですけど、その嬉しさとvistlipに向ける感情って全然切り分けられてて…うん、全然キャリアは実感しないです(笑)すごい説明難しいんだけど、ベーシストとしてはキャリアを感じるけど、vistlipとしては新人の気持ちという。心の中でのベクトルが全然違うものなんですよ。
────なるほど。メイさんも若いバンドからそれこそ「DOG inTheパラレルワールドオーケストラといつか対バンしたいです!」と言う声を耳にしてますよね。
メイ:嬉しいです!メイクさんに聞いたお話ですが、“メイさんみたいな髪型とかスタイリングみたいにして下さい!”って言ってくれてる新人の方もいるみたいで、一応誰かにとっての大切な何かになれてはいるんだなって凄く嬉しいです。ただ、僕も瑠伊さんと同じで、その嬉しさとバンドに関するところはまた別かな。新しいバンドに対しても“負けないぞ”って気持ちでいることも大切にしたいし。僕も周りの人からキャリア長いよねって言われるんですけど、そんなに年数を感じてなくて。気づけばこの年数なんだって感じです。