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【nurié・廣瀬彩人】5周年ワンマンへ向かう最新の“変化”と未来を語る。
次のアルバムは全体を通して一つの作品になるイメージ。
────nuriéを知れば知るほど、真面目なバンドだという結論に至るのですが、ライヴをどう観ていいかわからない人がいるんじゃないかなってちょっと思ってて。
廣瀬:それこそ僕ら年末に「V系って知ってる!」っていうイベントに出させていただいて、打ち上げの時に“なんか重いなnuriéのライヴって。” っていう風なことを言われて。確かに“漫画を読みたい気分の人に、どんな自信ある小説を提示しても、今読みたいのそれじゃないねん!”ってなるよなって(笑)こだわりとは別の軸で、もう少しその場に寄り添う魅せ方はあったんじゃないかなと思えるのは大きな収穫です。
────こんな4コマ漫画描いてる人の小説どんななんだろうって気にさせるべきだってことですよね。
廣瀬:そうですそうです。コンスタントに楽しみたいのに、考えさせられるテーマが多い分ちょっと重たい印象があったみたいで。
────明るい顔をして観ていいのか、暗い顔して聴くのか、その中間を行き来するバンドだからこそ。
廣瀬:決して重たいライヴをしたいわけでもなかったので、コミカルなMCとかネタみたいな投稿もそういう意図がありました。
────まさに今“楽しいnuriéが体現されてきている状態ですが、他2人のメンバーには変化を感じますか?
廣瀬:大角くんはやっぱりnuriéを背負ってくれてる人間なんで…なんて言うんやろうな…うん、色々な顔を持つようになったと思います。ヴォーカリストとして表情が増えた。目が最初にいくバンドの顔としての振舞いが以前よりも幅広くなったんじゃないかな。
────最近の大角龍太朗は一層対峙するようになりましたよね。空間を支配することだけじゃなくて、お客さん1人1人と対話するような歌になってきたと言いますか。
廣瀬:僕もそれは結構思いますね。変わったと思います。彼も真面目な男なんですよ。すごく自分を変えたくて、必死にもがいてる人みたいに感じることが多いというか。ライヴ中の彼はワンパク少年じゃないですか?でも周りにすごく気を遣えるし、その一方ネガティブな側面を持ってる人やと思うんです。そういうネガティブな自分を変えたくて必死にもがいてるし、現状にずっと飢えてるそんな人に見えます。
────だからこそ、弱さも見え隠れする等身大や、理想との狭間で苦しんでいる姿に説得力もある。ステージがすごい正直になりましたよね。
廣瀬:ある時期を境に、ありのままの自分を愛してもらおうっていうスタンスになったんかなって。
──── 一方でドラムの悠太さんは?
廣瀬:悠太くんはもともと僕と結構多分タイプが似てるというか、表にあんま出さないけど、情熱を内側に秘めている人間やと思います。それこそライヴだけじゃなく、バンド全体に対してどうしていったらいいかっていうのも一番に考えてくれている人。だから僕よりもバンドを俯瞰しているのは悠太くんなんじゃないかって思ってます。
────なるほど。確かにアイデアや考え方の軸がありますよね。ここで話題を変えて、現在制作中のアルバムについても伺っていきたいんですけど、nuriéが次に向かう場所はどんなところなんでしょうか?
廣瀬:まだ制作中ではあるんですけど、一つの塊として成立すると思います。これまで音源に関しては収録される楽曲が、それぞれベクトルが異なっていて短編集みたいだったんですけど、次のアルバムは全体を通して一つの作品になるイメージ。僕らの楽曲って1曲ごとに世界があるので、ミニアルバムのヴォリュームだと…全体を通して共通のテーマはもちろんあるんですけど、全曲違う世界を描いてるようにも見せることもできたんです。それが今回は10数曲入るフルアルバムの予定なので、まとまりのある一本の長編のような世界になるでしょうね。
────具体的にどんな系統の曲が今のところ仕上がってます?
廣瀬:もちろん「Firebomb」とか最近やり出した「OVERKILL」みたいなアッパー系もあるけど、全然それだけじゃないですね。聴いてもらえばnuriéっぽいってなる感じ。結構わかりやすいはず。
────いつも曲を作るときは、インスピレーションから作ることが多いですか?それともあらかじめこういう作風にしようってアプローチしますか?
廣瀬:僕は曲作るときライヴをイメージするんですよ。ライヴでやっててどんな絵になってるかみたいなところから広げることの方が多い。でも、決してアルバムは激しいだけじゃないよとは予告しておきます。