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【nurié・染谷悠太(Dr)】「”nuriéはもったいないバンドだ“っていう言葉も死ぬほど聞かされました。」未来へ向かうからこそ振り返る過去。7月29日Veats SHIBUYAワンマン、実りの季節へ。

729日に結成5周年のアニヴァーサリーワンマン< nurié  5th Anniversary ONEMAN 5 years, 5colors」 >Veats SHIBUYAで開催するnurié。ドラマーとして的確に安定したプレイでバンドの屋台骨を支え続けた染谷悠太。未来へ進むべく、これまでの紆余曲折を在りのままに語ってもらった。結果見えたのは迷いの根底にあったブレない意志でもある。悔しさを多分に痛感しながらも急上昇を始めたバンドの現状を染谷はどう考えているのか?

 

期待に応えなきゃいけない重圧でズレていったのは僕ら自身


 

────nurié5周年ということで、次なるフェーズに突入すると思うんです。活動当初から色々なアクシデントがあってコロナ禍を経て現在道のりを振り返ると、どのように変化してきたバンドだと思いますか?

染谷:バンドとしてどう変わってきたかで言うと、意図して変わったところもあるし、意図せず変わってしまったところもあるなと思ってて。最近は結構意図して変わってることが多いんです。曲を聴いてもらったりとか、ライヴを観てくれてる方やったら分かると思うんですけど、やっぱり初期の頃ってやりたいことを全部自分らの好きなまんまやってたんです。最初の2年ぐらいはやりたいことばっかりやってて、そこから事故があって。良くも悪くも大きな注目が集まって、その期待とか応援の力っていうものに応えようとした結果、意図せず変わってしまったことが結構長くあったなっていう印象で。やりたいことをやってたところから、どうやったら期待を超えられるんだろう?ともがいて。

────求められてるもの。

染谷:その求められてる期待とバンドが出す答えがずれてしまっていた印象がすごく強くて。それも踏まえて、やっぱりやりたいことをやった方がいいんじゃないかっていうモードになったのが去年ぐらいのフェーズなんですね。

────回りまわって結成初期のテンションに回帰してきたっていうところですよね。

染谷:そうですね。でも考えることはたくさんあって。今年に入ってからアルバムの制作をしてるんですけど、色々と曲を作っていく中でやりたいことはあるけど、nuriéに求められてるものもやっぱりあるよなっていう話もしてて。

────ニーズとやりたいことが合致するか否かも、5年のキャリアのバンドにとっては大切でもありますしね。アルバムの発売もあえて延期しましたし。

染谷:目の前の景色も大切にすべきですからね。やりたいこともやりつつ、ニーズはちゃんと狙えないと結果はついてこないんじゃないかなっていう考え方に今はなってます。アルバムの発売延期もそうですし、今は意図して変えていくことができている段階って感じですかね。もうその時のシチュエーションに流されたくもないんで。

────初期の2年間でやりたいことを突き詰めてた。その時のやりたいことっていうのは具体的にどういうスタイルでした?

染谷:曲で言うと他のヴィジュアル系バンドがやってないこと。音楽性に関して言うと、周りは激しい曲をやってるバンドさんが多い中で、メロウでミドルなことを基軸にしつつ、激しいことや楽しいこともできますよっていう幅広さを見せていたかったって感じです。そこの中心にヴォーカル大角の等身大な歌詞が入り込む。

────幅の広さで言うと現在も別段ずっと狭まってもないような気がしますよね。

染谷:そこは今もそうですね。

────事故のニュースは当時メディアでも大きく報道されて、予期せず期待とか注目が集まってしまいました。もちろん応援の声が圧倒的だったとは思うんですけど、その当時自分たちの像ではないものを期待されてしまいましたか?

染谷:いや……多分ですけど、期待されてたものは当時のnurié像とズレてなかったですよ。期待に応えなきゃいけない重圧でズレていったのは僕ら自身で。たらればなんて意味ないですけど、あの時そのまんまやっておけば良かったなって今となれば思うことがあるかな。当時周りを見たら、キャッチーで可愛い系のバンドが多くて、ウチもそっちに寄っちゃったりとか。要は結局ないものねだりだったんです。僕らにないものを取り入れようとして幅を広げてるっていうのは確かに今と変わりないんですけど、その幅の広げ方せんでよかったやんっていうのは当時の自分たちに感じます。

────目に見える数字であったりとか規模感っていうのをどこかで追わなきゃいけないような使命感がありました?

染谷:そのライヴハウスにいる人たちがどうやったら楽しくライヴ参加できるのか?とか、どうやったら自分らのお客さんが増えるのかっていうところで、ないものを取り入れていった時期が活動復帰して1年ぐらいのマインドでした。

────現状に自信があるからこそ振り返れる部分だと思うんですけど、ただその当時なりに得たものもあるはずで。

染谷:どうですかね得たもので言うと難しいな。どうなんやろでも、バンドを模索していくうえで、多分いずれやってたと思うんですよ。ああいう可愛さとかを強調した幅の広げ方は。すごくポジティブに捉えるなら先にやっといてよかったなっていう感じですかね。やっぱ自分らにはこのテイストは違うんやなって早く気が付けた。

────なるほど。

染谷:早かったのがまあよかったかなって感じですかね。

────バンドの性質的に色々なことを試して実際やらないと気が済まない性分じゃないですか。この先、例えば5年後にもう1回それをやった時に意外とはまったりする可能性もゼロじゃない。

染谷:まあね、そうやりたいって言ってる可能性も別にゼロではないですね。戦い方自分たちの戦い方を知れたっていう感じかな?だから、その曲をうまいこと扱い切れるかどうかっていうところ。音楽を作るという意味では、割と僕らは何でもできると思ってるんですけど、でもライヴで100パーセントその曲の魅力を伝えきれるかどうかっていう課題には気づかされました。

────楽曲の強度とプレイのクオリティの高さがnuriéの武器ではあるけど、楽曲が主役になりすぎた。

染谷:まさにそうです。楽曲に寄せようとしすぎて、バンドとして僕らは何を伝えたいかっていう軸が分かりにくくなってしまいました。

────ただ、もちろんそのタイミングでやってた曲たちは今も生きている。

染谷:自分たちの軸がしっかりしてれば、当時の曲たちもポイントポイントではもちろん演奏していけるというか。別にやらんくなった曲とかはそんなにない。昔から意図してやってない曲が1つだけあるんですけど、それ以外ライヴでやってるんで。別にもうこれやりたくないとかっていう感情にはなってないですね。改めて色んな曲を作ってきたなぁっと思いますね。

 

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