SPECIAL
特集
【MAMA.・命依(Vo)】単独インタビュー◆「俺らがどんなバンドかなんてどうせ全然知らないでしょ」 9月11日ツアーファイナル渋谷WWW公演に向けて語った“MAMA.の音楽“と“MUCCが覚醒させた日”
地に足をつけて今でしか出来ないことをやっていきたい
────しかし1年前と比べて今のMAMA.を取り巻く状況がめっちゃ変わったと思うんですよ。
命依:そうですね。
────そういう環境も含めて意識はだいぶ変わってきました?
命依:うーん。まぁ、バンドとしてはあるんじゃないですかね?個人的には本当に変わらない。どこにいてもこんな感じなんで(笑)こんな感じの俺を見てほしくて曲も書いてるのもあるけど。でも、バンドとしてはすごい変わっていると思います。
────ズバりな聞き方するんですけど、今ネクストブレイカー筆頭じゃないですか?
命依:そんなことないでしょ(笑)
────張本人としてはまだ全然そういう意識じゃないんですね(笑)
命依:周りに、“MAMA.今めっちゃイケイケじゃん!”とか“結構来てるよね”とか確かに言われるけど、俺はそんなことは全然思ってなくて。フォロワーとかも少ないし(笑)それが知名度の全てじゃないけど、実感はないですよ。
────ただ、NoGoDとの2マン、YUKIさんとの2マン、バグサミ出演、deadmanとの共演と明らかに超強豪とぶつかる機会が激増してはいます。
命依:うん。そう言われるとありがたいことに注目してもらってるんだとは分かるんです。でも、小文字から大文字のMAMA.になったその日から何も狙わずに、ただ好きな曲だけ作ろうというスタンスも変わってないし。MAMA.って名前は以前よりは届いているかも知れないけど、俺らがどんなバンドかなんてどうせ全然知らないでしょって感じです。
────今回自身初の全国ワンマンツアーで地方も廻ってきましたが、各地の反応はいかがでしたか?
命依:MAMA.を楽しみに待っててくれてる人がいてくれるのは嬉しいです。でも、やっぱり東京のお客さんの方が全然多いし、まだやっぱ地方に伝わってないんだなとは正直思います。
────ツアーを経験したことによってこれから先、1年後とかに進んで行きたいヴィジョンは見えました?
命依:そうですね…そこは、さっきも言った普段の生活が全部バンドに繋がってくるってところに戻りますね。周りの期待に対して実感がないって言ったけど、そういう期待に対して実は一回だけ考えた時があって。でも、アーティストとして生きていていたい、要はそこだけだよねってところに結局返ってきますね。芸術を生み出す人間として、もっともっとオリジナリティを出していきたいなって思ってます。もっと自分を追求して研究して、深いところまでいけば、どんな人でも個性が見つかってくると思うから。でも、自分を追求するのって大変だし、自分で気づかなきゃいけない一番難しいところですよね。でも、そういう過程も全部芸術に変わるっていうことに向き合っていきたい。
────でも、命依さんも自覚しているように、命依さんの歌って“層”に向けて歌うわけじゃないくて、それぞれの“個”に向けて歌っていく歌じゃないですか。
命依:うん。
────そういうところでオリジナリティってかなり確立されてるんじゃないかなって気がするんですけど…
命依:全然まだまだだと思いますよ。全然。曲の1秒、1秒の全てを自分の色に染めていきたい。そのレベルを目指してるんで、全然まだまだだと思います。
────なるほど。野暮な質問かも知れませんけど、規模感で目指している場所はありますか?例えば1年後とかで。
命依:別に焦ってバンドしてるわけではないんで…あ、でもリキッドルームはもう1回立ちたいと思ってます。ちゃんとソールドアウトさせたいです。でも、無理に勢い任せで背伸びしてもダメですからね。…つって、勢い任せ派なんですけど(笑)
────ですよね(笑)
命依:まぁ勢いで行く力も大事だけど、個人的には今Zeppとか切りたくないんですよ。演奏とかライヴの内容とか含めて相応しくならないとやりたくない。挑戦だけじゃダメ。どうしたって俺らはMUCCを喰らっちゃたじゃないですか。MUCCから学んで、考えて、それで出た答えが“背伸びをすること”だったら滑稽じゃないですか。MAMA.はすごい勢いで成長していくと思ってるからこそ、地に足をつけて今でしか出来ないことをやっていきたいです。
────収支的にトントンになるとか黒字になるからZepp切っちゃおうっていう考えじゃないですよね。
命依:あ、もうそんなお金はどうでもいいです。俺、自分のバンドがいくら貯まってるかとかわかんないです(笑)自分の人生を考えたら、将来は世界にも出たいですし今の規模に大きなこだわりはない。